機本伸司『究極のドグマ 穂瑞沙羅華の課外活動』

究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫)

究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫)

天才女子高生・穂瑞沙羅華と凡庸な主人公の活躍を描く『神様のパズル』『パズルの軌跡』に続くSFシリーズ第三弾。
神様のパズル (ハルキ文庫)  パズルの軌跡―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫)
まず第一作の『神様のパズル』では、物理学を手がかりに「宇宙を人工的に作ることは出来るか」というテーマでSFを展開した。次に第二作の『パズルの軌跡』では、脳科学を手がかりに「幸福を人工的に作ることは出来るか」というテーマでSFを展開した。そして第三作となる本書では、生命科学を手がかりに「天才児を人工的に作ることは出来るか」というテーマで書いた作品と言えるかもしれない。
第二作・第三作と回を追うごとに、「作ることは出来るか」だけでなく、「作っても良いのか」という倫理的な問題がより大きく立ち塞がるようになる。テクノロジーの最先端は、倫理の最先端でもある。読みやすいんだけど、実に面白い作品。早くも第四弾が待ち遠しい。