本作のミソは「携帯電話」である。よくある「選択肢」でストーリーが分岐する旧来的なサウンドノベルではなく、電話を「かける」「かけない」とか、かかってきた電話に「出る」「出ない」の選択でストーリーが分岐する仕掛けになっている。
ストーリーの方も、世界改変やタイムリープをモチーフとしたけっこう本格的なSF。タイムリープという発想と、セーブ・ロードを繰り返すゲームというジャンルは非常に相性が良いということを認識した。9人9時間9の扉なんかもあるしね。ただし舞台は秋葉原で、主人公はいわゆるアキバのオタク青年なので、2chやニコニコ動画などで見られるネットスラングが頻発する。最初はネットスラングを文字でなく実際に喋ってしまうところに嫌悪感を感じるかもしれないが、これすらも伏線というか、分厚いSFストーリーを楽しむための重要な要素になっているので、まあ「めけずにゲームを続けてくれ」ということしか言えない。
余談1
『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』はアニメもけっこう人気があったようだが、今度劇場版も作られるらしい。一度プレイして結末を知っているのにアニメを観るべきかどうかは少々迷うが、ちょっと気になるなあ。
またシリアスな描写を含む本格的なSFだった本作に対して、あえてギャルゲー的な甘ったるいストーリーを展開する『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』というスピンオフ作品というかファングッズがXbox360で出ているが、こちらも俺が持っているPS3やPSPで出るそうだ。
余談2
本作は科学アドベンチャー第2弾である。当然ながら第1弾がある。第1弾『CHAOS;HEAD(カオス・ヘッド)』は猟奇殺人と妄想をモチーフとしたホラーじみたSFのようで、密かに興味あるんだが、モチーフから想像がつくようにかなりグロそうだ。さて、どうしよう。アニメ化もされているので、ゲームじゃなくてアニメに手を出すという選択肢もあるが……。
まあ『CHAOS;HEAD(カオス・ヘッド)』はともかく確実に買ってしまいそうなのが、6月に発売予定の科学アドベンチャー第3弾『ROBOTICS;NOTES(ロボティクス・ノーツ)』である。
第1弾は渋谷、第2弾は秋葉原だが、第3弾は種子島に舞台を移している。『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』では携帯電話が重要なアイテムだったが、時代を反映してか、第3弾では「ポケコン」というiPadやGalaxy Tabのようなタブレットデバイスがキーになっているようだ。公式サイトを観てみたが、これはまあ確実に買っちゃうだろうなー。
「ロボット」「拡張現実」「夢」をテーマに「99%の科学と1%のファンタジー」で構成されたヒューマンストーリー。
「拡張現実」が身近な存在となった近未来の種子島で、「ロボ部」周辺に集まった少年少女たちが、それぞれの「夢」を追いかけながら「巨大ロボット」製作に携わる。
ストーリーが進むにつれ、明らかになる陰謀に迫りながら、少年少女たちの夢はどのような結末を迎えるのか。