インキュベ日記

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苅谷剛彦『知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ』

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)

ブルデューの社会階層論を援用した学校論や教育論を展開する教育社会学者による、社会学らしい「メタ思考」や「逆説思考」や「関係論的思考」について解説した本。元々は単行本で読んだことがあるのだが、文庫化されていたらしい。文庫化に際して多少加筆されており、タイトルにも副題がついているので、一応単行本とは別の本として取り扱う。
十数年ぶりに読んで、細かい内容は完全に忘れていたが、それでもなお本書が言わんとすることについては完全なる既視感(デジャヴ)と共に読み進めた。アカデミズムとしての社会学はほぼ完全に私の体内から消え失せたが、社会学的な考え方はまだ(多少は)私の血肉となっているようだ。そうだよな、こういう柔軟で、ちょっとひねくれたところが社会学的な発想の魅力であり、そこに十数年前の私は惹かれたのだった。初心に返るではないが、当時の気持ちを思い出し、何となくポジティブな気持ちにさせられた。