枡野浩一『ドラえもん短歌』

2000年〜2001年にかけて「スタジオパークからこんにちは」というテレビ番組で「かんたん短歌集」の講師を選者の枡野浩一が担当していたそうだが、サザエさん・ちびまる子ちゃん・水戸黄門・刑事コロンボといった有名作品をお題に短歌を募集していたそうで、その中でも最も面白い作品が集まったドラえもんにまつわる短歌をこうやって書籍化したとのこと。

「永久に借りておくだけ」ジャイアンの言葉で今日も言い訳をして(ごみたゆうこ)
君とした「ひみつ道具でどれが好き?」みたいな話ばかり思い出す(仁尾智)
寝坊した僕の未来の言い訳は「どこでもドアが調子悪くて……」(佐々木あらら)
武道館ファイナルをむかえジャイアンが不遇時代をついに語った(緒川景子)
引き出しを開けても出ないドラえもん 余計なものが詰まりすぎてて(加藤千恵)
ポケットもタイムマシンも興味ない ドラえもんよりあなたが欲しい(加藤千恵)

たまたまだが、直前に読んだ『写真短歌部 放課後』を読んだ加藤千恵の名前がよく出てくる。加藤千恵は、何とこの企画をきっかけに人気を集め、デビューしたらしい。すごい。でもユーモアから叙情まで振れ幅広くてわたしも「おっ」と思った。