井上新八『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる!続ける思考』

ブックデザイナーの方らしいが、「続ける」ことを続けてきたことで人生が変わって色々なことができて云々という本。ちょっと信じられないぐらいの行動量で、数え上げても到底1日24時間では足りないことを「やりました」と自慢気に見せられても、ただの超人または嘘つきということになる。読んでいて正直かなりモチベは下がった(素直に凄いと思う人は上がるのかもしれない)。

個人的に気になったのは2点で、まずひとつは、ブックデザイナーという職種も関係しているのかもしれないという点。朝の集中した数時間で1日のしごとの大半を終わらせると書いておきながら、その仕事の時間で毎日ドラマを1本、アニメを4本見ているというのである。これはその人のタイプとかそういうことではなく知的プロフェッショナルのほぼ全員が同意すると思うのだが、ドラマやアニメを見ながら仕事をすることは不可能だと思う。一方、漫画家などは1日中ドラマや映画やアニメを流しながら仕事をしている人が結構いる。イラストやデザインを生業としている人たちは、脳の使い方が違って、こうした働き方ができるのだろう。

もうひとつ、こちらは参考になる話だと思うが、小さな営みを「毎日」やることだ。週に1日とか、週に5日ということになると、やったりやらなかったりする日が出てくる。これはモチベというのか、それとも何かの切替コストの発生なのか、いずれにせよ大変なので、毎日やった方が継続には良いという話である。これは「なるほど」と思った。やったりやらなかったりではなく、「毎日」「必ず」やる。結果できない日があったとしても、そのルールは崩さない。これは使える気がする。