運の力は重要、という本。
- 好奇心を持って物事を探索することが重要、すなわち行動量が必要
- 広い視野が重要
- ある種のコミットメントも重要
- 成功した人は、成功前は幅広い事象を探索しているが、ホットストリークと呼ばれる確変状態に入った後はリソースを一点集中している
- 「幅広い実験」と「一点集中」を繰り返すことが重要で、通常状態から一点集中していてもホットストリークを起こす確率は狭まるし、ホットストリークが落ち着いた後に幅広い実験をしていない場合は再度ホットストリークを起こせない
個人的には、昨今の「努力否定論者」にはかなり言いたいこともある。
あと、この本の内容にも若干の違和感がある。これって運なのか? と。
ただ、本書で挙げられた様々な研究結果については、参考になるものも多い。例えば、ノースウェスタン大学の研究では、成功した企業や企業にだけ見られる統計的な特徴が3つ浮かび上がったとのこと。まず、キャリアの初期に失敗を経験した者の方が、後年により大きな成功を手にしていた点。次に、成功した科学者や企業には、最初の失敗から2度目の失敗までのスパンが短い点。最後に、長く成功し続ける科学者と企業は、手痛い失敗を経験した後すぐに原因の分析に取り組んでいた点。著者はこれらを「挫折から立ち直る力」と「失敗を糧にする力」と定義し、この力が高い方が回復力もあって運を引き寄せられるのだと説く。
……それでも、なぁ。
……これって運とか言わなくても良くね?