木滑和重『実践版 グローバルプロセスアウトソーシング 世界で勝つためのグローバル経営支援機能の構築』

最近アウトソーシングやBPOと呼ばれるジャンルの本をまとめて買ったり読んだりしており、これから大量に感想の記録jを書いていくことになると思うが、良い本がほとんど見当たらない。その中でも本書はまだマシだと思うので、あとで再読する。

なお、わたしが取り急ぎ最も読みたいのは、BPOにおける業務の仕分けの方法論やステップだ。これまで色々な業務改革などはやっているため、一定頭で整理することはできるのだが、BPOという「外部に切り出す」ことを含めた検討のステップとして何か重要な観点・判断軸が抜け落ちていないかをチェックしたいのである。しかしまともな検討例が書かれたものがほとんどない。BPOが重要だとか、上手く使えば役に立つというレベルの話は10年どころか15年前の時点ですらネットで十分に転がっているし、ネットすら見なくても筋道立てて考えれば普通わかるだろうと思う。でも、実際に本を買うと、その程度の整理で終わっているものが多いのだ。

その意味で本書も、厳密にはわたしの期待に応えた本ではないが、一応「例」はあった。

図表6-4 業務切り分けの判断例(本当は図なのだが、取り急ぎ文章で書く)

<直接業務>
差別化の源泉 →YES→ 自社リソース
 ↓
 No
 ↓
コスト優位の源泉 →YES→ EMS、ODM、OEM等の検討
 ↓
 No
 ↓
競争優位を支える支援業務 →YES→ 業務集約・BPO/SSCの検討

<間接業務>
戦略的意思決定機能 →YES→ 自社リソース
 ↓
 No
 ↓
高度な知識・スキルが必要 →YES→ 業務集約・CoEの検討
 ↓
 No
 ↓
定型化・集約化が可能 →YES→ 業務集約・BPO/SSCの検討
 ↓
 No
 ↓
自社リソース(ローカルスタッフ)

うーん。

書きながら改めて考えてみたが、正直「うーん」だな。

他のところはけっこう面白いことも書いてあるのだが。