『天穂のサクナヒメ』@Switch

「てんすい」と呼ぶ。

武神と豊穣神の子であるサクナヒメ(サクナ)は、両親の残した財産を食いつぶして自堕落な生活を送っていたが、倉庫を火事で大破させた罰として、鬼島と呼ばれる孤島・ヒノエ島の調査を命じられる――というプロローグ。ヒノエ島にはろくな蓄えもなく、サクナは(一応神様でありながら)自分で田畑を耕したり狩猟・採集したりしながら、ヒノエ島で鬼が発生する原因などを調べることになる。

面白いのはゲームシステムで、稲作の仕組みというかコツをちゃんと理解しないと、お米が取れないということだ。いつ田んぼに水を入れ、いつ抜くか。水の高さ、病気やカビや害虫の予防と対処。暑いときはどうするか、寒いときはどうするか、また日照りのとき、多雨のときはどうするか。最初はほとんど説明がなく、途中から豊穣神である母親の残した巻物が出てくるが、それもわかるようなわからないような感じで、最後は自分で試行錯誤したり、農水省のホームページで調べたりするようになる。

ゲームバランスも絶妙で、田んぼの世話ばかりをしていると島の探索がちっとも進まないのだが、島の探索ばかりをして稲作を疎かにすると米が取れない。しかも敵を倒したり武器を新調したりするよりも、稲作で美味しい米をたくさん作る方が、サクナの強さがよほどアップするのである。さすが豊穣神。

1回目は、島の探索ばかりをして田んぼの世話が疎かになり、常に空腹で、鬼と戦う力も出てこない……という悪循環で挫折。しばらく放置していたが、友人もプレイするというので再度オープニングからやり直し、再度米作りをしっかりしながらプレイして何とかクリア。ヘボゲーマーのわたしには意外に難しかったが、よく考えられていて本当に面白かった。