栗井茶『メメメメメメメメメメンヘラぁ…』1〜5巻

細かな経緯や関係性はよくわからないのだが、同じ作者の描いている『プラスチック姉さん』と登場人物だけでなくエピソードも同じものがある。全く同じではないので、セルフでスピンオフしているという感じなのかな?

一般的にはあまりモテる感じではない小太りの大学生(主人公)と、その大学生に惚れている女子高生。この女子高生はもう明らかにガッツリとメンヘラで、それ以上に危険なストーカーである。盗聴したりは朝飯前。で、途中から、主人公と同じ大学に通う女子大学生、これもまたタイプは若干違うもののガッツリとメンヘラという。

この手の話で時々思うのは、昔は、つまりコンプラだのストーカーだのという言葉が生まれる前は、こうやって(いやここまでは大袈裟だとしても)好きな異性に猛アタックするのは、必ずしも間違いではなかったし、実際に存在したと思う、ということだ。好きな異性の行動パターンを調べ上げて待ち伏せるという程度は、80年代とかのフィクションを見るとたまにあるよね。で、その時は、熱意にほだされたり、単に可愛かったり格好良かったりして、付き合ったりしたこともあったんだろうし、何なら結婚まで行ったこともあったんだろうと思う。

恋愛観自体が変遷を遂げているというかね。

もうひとつ、セクハラは受け手がそう思えばセクハラだ的な乱暴な話もあるが、このメンヘラだのストーカーだのも似たような構造があり、受け手が受け入れてしまえばそれは犯罪にはならないかもしれないということだ。

いや、もちろん本作で書かれているようなのは時代を問わず犯罪じみた行為なんだけどね。主人公、もう勝手に女子高生と結婚させられてるしw