
- 作者: ヤマシタトモコ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2017/11/22
- メディア: Kindle版
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この小説家は、葬式の場での大人たちの汚さをこれ以上この女子中学生に見せたくないという気持ちが働いて衝動的に引き取るが、基本的には人嫌いで愛想もなく、そして何より姉(つまり女子中学生の母親)のことを憎むほどに大嫌いである。だから女子中学生に愛着も持てない。持てないんだけど引き取った手前、上手く共同生活を送るしかないという。
女子中学生も、叔母のそういうところを理解しながら、引き取られていく。
けど暗い感じではない。手探りで、お互いの距離感を見つけようとしているというか。
なんというか、ヤマシタトモコはこの手の「赤の他人と突然一緒に暮らす」という設定が好きだね。『ドントクライ、ガール』もそうだし、すぐに思い出せないけど休みの間だけ家出して他人と住むみたいな話もあった。好きというか、表現者として描かざるを得ないのかな。ここにリビドーがあるのかもしれない。他者との邂逅?