岩明均+太田モアレ『寄生獣リバーシ』3〜4巻

寄生獣リバーシ(3) (コミックDAYSコミックス)

寄生獣リバーシ(3) (コミックDAYSコミックス)

  • 作者:岩明均
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/09/11
  • メディア: Kindle版
寄生獣リバーシ(4) (コミックDAYSコミックス)

寄生獣リバーシ(4) (コミックDAYSコミックス)

  • 作者:岩明均
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/02/12
  • メディア: Kindle版
レジェンド級の傑作漫画『寄生獣』のスピンオフ。

わたしは『寄生獣』は「捨てゴマ」がほぼゼロだというぐらいよくできた作品だと思うし、本当に大好きなのだが、敢えて書くと、市長はもう少し深掘りできたかなと思っている。その意味で、市長の息子を主人公に据え、『寄生獣』と同じ時間軸で、一部の登場人物も重複させ、別の物語を走らせるという試みはスピンオフとして凄く面白いと思うし、期待もしている。

ただし、何だか1巻から主人公の「思わせぶりな表情や振る舞い」が多すぎて、正直に言うと凄く気に障る。作者はこれが格好良いと思ってるんだろうか。それとも他の意図が? 主人公をわざわざミステリアスにしようとする意図が全然わからないし、ぜんぜん良いと思えない。もし、主人公の数少ない友達が殺されたことで、自分が復讐心に燃えているということだけで、あの「思わせぶりな表情や振る舞い」だったとしたら、明らかに肩透かしだし、ミスリードだ。普通の高校生が、友達が怪物に殺されて復讐しようと思って操作居力すら拒むか、という根本的な違和感もある。

面白くなりそうなのに、どうも入り込みきれないというかね。