七海仁+月子『Shrink ~精神科医ヨワイ~』5巻

描き手の柔らかなタッチも相まって、非常に誠実な印象を受ける医療漫画。

パーソナリティー障害は本当に難しいと思う。少し前まで、パーソナリティー(性格)なのだから治らないとみなされる向きも多かったし、素人目には「障害」の定義や程度の判断なんてつかない。本人が辛いと思っていれば「障害」なのかなあ。その意味では、パーソナリティー障害に限らず、精神科医や心療内科医が扱う領域は近年、他の診療科目以上に大きな変革を迫られている気がする。例えばADHDのような話も、臨床的にも研究的にも近年その位置づけが大きく変わってきたし、社会的にも認知されてきた。鬱病の定義もそうだ。この領域は難しい。