諫山創『進撃の巨人』34巻

完結。

全体を振り返ると正直、20巻だか25巻ぐらいまではめちゃくちゃ面白かったのだが、政治的な話が出始めてからは「まあまあ」という感じだった。

あとはこの物語をどこにどう着地させるかという点のみで話が語られていたような気がするんだよね。

それを面白いと思えるかどうか。

登場人物についてもラストはちょっとなぁ。エレンの行動(暴走?)の背景は想像がついていたのだが、何となく物語を綺麗に着地させるための行動という感じで、特に共感も感慨も抱けなかった。ミカサについては人間的というかただの少女みたいな感情が全面に出過ぎていて、それはそれで好ましいとは思っていたけど、結局その思いはどこにも届くことはなく。アルミンについては、主人公たちの「アルミンなら何でも解決してくれるんだ!」という謎の信頼感への説得力がゼロだから、正直不快なキャラでしかなかった。

結局、リヴァイ・エルヴィン・ハンジといった、「多くを語らず」でひたすら社会のために尽力した実績を持つ人たちに共感する。

他の人達はまた違う物語の見方をしているんだろうな。その意味では良書・良作なんだろうと思う。