主人公はバンドのギタリストとして頑張っているが、芽が出ない。仲間たちも若干、行き詰まりを感じている。
一方、主人公は高校の元クラスメートに「名義貸し」をしている。元クラスメートは絵を描いているが、純粋に絵が好きなだけで有名になってチヤホヤされたいという欲がなく、それどころかコミュ障で他人と上手く付き合えない。だから画廊とのやり取りや、ファンからの質問、インタビューなどを、代わりにやってあげているのだ。その代わり、そいつの家に居候させてもらうというウィンウィンの関係。
しかし元クラスメートの画家としての才能は本物だ。次第に世間から着目されるようになり、絵が億単位の大金で売れるようになる。絵が注目されたおかげでこれまで考えられなかったような規模や知名度のライブに出られるようになり、一方、絵に関するインタビューなどでバンドの練習などに支障が出始める――と、非常にヒリヒリする展開。誰も悪意なんて無かったけど、これが明らかになったら今の世の中だと、大衆の悪意が暴風のように吹き荒れることが確実である。
2巻が怖い。しかし待ち切れない。