インキュベ日記

書評2800冊・漫画評4400冊・DVD評400枚の「質より量」な記録サイト(稀に質も重視)

感想を書けていない漫画を100冊まとめて 第3弾(今回は100冊で収まらないので正確には170冊)

最近ストレスが溜まっているのか、漫画を読む量が増えてきた。感想・記録がとても追いついていないので、ここ数ヶ月の間に読んだ漫画をまとめて170冊紹介。7月と11月に100冊ずつまとめて消化したところなんだがなー。ま、これで一応(ほぼ)リアルタイムの漫画読了履歴に追いついたように思う。

三浦建太郎『ベルセルク』40巻、岩永亮太郎『Pumpkin Scissors』15〜22巻、しろまんた『先輩がうざい後輩の話』2巻、鯨川リョウ『秘密のレプタイルズ』6巻、栗山ミヅキ『保安官エヴァンスの嘘』5巻、川崎直孝『ちおちゃんの通学路』9巻、白浜鴎『とんがり帽子のアトリエ』4巻、オジロマコト『猫のお寺の知恩さん』8巻、ヴァージニア二等兵『異世界居酒屋「のぶ」』7巻、相田裕『1518! イチゴーイチハチ!』6巻、冨樫義博『HUNTER×HUNTER』36巻、細野不二彦『ギャラリーフェイク』34巻、佐々大河『ふしぎの国のバード』1〜5巻、あfろ『ゆるキャン△』7巻、ナナシ『イジらないで、長瀞さん』3巻、蝸牛くも+黒瀬浩介『ゴブリンスレイヤー』5巻、稲光伸二『性食鬼』12巻、Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』11巻、荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険Part8:ジョジョリオン』19巻、櫓刃鉄火『ウチの使い魔がすみません』2〜5巻、泰三子『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』4巻、イチヒ『おとなのほうかご』4巻、ビリー『シネマこんぷれっくす!』2巻、ツジトモ『GIANT KILLING』49巻、小山宙哉『宇宙兄弟』34巻、松田奈緒子『重版出来!』2〜11巻、白乃雪『あたりのキッチン!』4巻、石ノ森章太郎『風都探偵』4巻、はっとりみつる『綺麗にしてもらえますか。』2巻、山本さほ『岡崎に捧ぐ』5巻、高野ひと深『私の少年』5巻、桜井画門『亜人』13巻、板垣巴留『BEASTARS』11巻、桑原太矩『空挺ドラゴンズ』5巻、石塚真一『BLUE GIANT SUPREME』6巻、ジョージ朝倉『ダンス・ダンス・ダンスール』11巻、浜田よしかづ『つぐもも』22巻、押見修造『惡の華』10〜11巻、押見修造『ぼくは麻里のなか』3〜9巻、押見修造『血の轍』2〜4巻、カルロ・ゼン+東條チカ『幼女戦記』10〜11巻、ヤマシタトモコ『違国日記』3巻、井上堅二『ぐらんぶる』12巻、ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』30巻、小坂泰之『放課後ていぼう日誌』3巻、広江礼威『ブラック・ラグーン』11巻、泉光『図書館の大魔術師』2巻、泉光『図書館の大魔術師』2巻、堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』21巻、葦原大介『ワールドトリガー』19巻、小林有吾+上野直彦『アオアシ』15巻、こざき亜衣『あさひなぐ』28巻、安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』5巻、天原+masha『異種族レビュアーズ』2巻、高浜寛『ニュクスの角灯』5巻、おおのこうすけ『極主夫道』2巻、南勝久『ザ・ファブル』16巻、ハナムラ+石井和義『どるから』3巻、山田胡瓜『AIの遺電子 RED QUEEN』3巻、さもえど太郎『Artiste』4巻、リムコロ『世話やきキツネの仙狐さん』3巻

ベルセルク 40 (ヤングアニマルコミックス) [まとめ買い] Pumpkin Scissors 先輩がうざい後輩の話: 2 (comic POOL) 秘密のレプタイルズ(6) (裏少年サンデーコミックス) 保安官エヴァンスの嘘(5) (少年サンデーコミックス) ちおちゃんの通学路 9 (MFコミックス フラッパーシリーズ) とんがり帽子のアトリエ(4) (モーニングコミックス) 猫のお寺の知恩さん(8) (ビッグコミックス) 異世界居酒屋「のぶ」(7) (角川コミックス・エース) 1518! イチゴーイチハチ!(6) (ビッグコミックス) HUNTER×HUNTER モノクロ版 36 (ジャンプコミックスDIGITAL) ギャラリーフェイク(34) (ビッグコミックス) [まとめ買い] ふしぎの国のバード ゆるキャン△ 7巻【Amazon.co.jp限定描き下ろし特典付】 (まんがタイムKRコミックス) イジらないで、長瀞さん(3) (マガジンポケットコミックス) ゴブリンスレイヤー 5巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス) 性食鬼 12 (ヤングチャンピオン烈コミックス) 絢爛たるグランドセーヌ 11 (チャンピオンREDコミックス) ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 19 (ジャンプコミックスDIGITAL) [まとめ買い] ウチの使い魔がすみません ハコヅメ?交番女子の逆襲?(4) (モーニングコミックス) おとなのほうかご4 (MFC) シネマこんぷれっくす!(2) (ドラゴンコミックスエイジ) GIANT KILLING(49) (モーニングコミックス) 宇宙兄弟(34) (モーニングコミックス) [まとめ買い] 重版出来! あたりのキッチン!(4) (アフタヌーンコミックス) 風都探偵(4) (ビッグコミックス) 綺麗にしてもらえますか。 2巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス) 岡崎に捧ぐ(5) (コミックス単行本) 私の少年(5) (ヤングマガジンコミックス) 亜人(13) (アフタヌーンコミックス) BEASTARS 11 (少年チャンピオン・コミックス) 空挺ドラゴンズ(5) (アフタヌーンコミックス) BLUE GIANT SUPREME(6) (ビッグコミックススペシャル) ダンス・ダンス・ダンスール(11) (ビッグコミックス) つぐもも : 22 (アクションコミックス) 惡の華(10) (週刊少年マガジンコミックス) 惡の華(11) (週刊少年マガジンコミックス) ぼくは麻理のなか : 3 (アクションコミックス) ぼくは麻理のなか : 4 (アクションコミックス) ぼくは麻理のなか : 5 (アクションコミックス) ぼくは麻理のなか : 6 (アクションコミックス) ぼくは麻理のなか : 7 (アクションコミックス) ぼくは麻理のなか : 8 (アクションコミックス) ぼくは麻理のなか : 9 (アクションコミックス) 血の轍(2) (ビッグコミックス) 血の轍(3) (ビッグコミックス) 血の轍(4) (ビッグコミックス) 幼女戦記(10) (角川コミックス・エース) 幼女戦記(11) (角川コミックス・エース) 違国日記(3)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS swing) ぐらんぶる(12) (アフタヌーンコミックス) おおきく振りかぶって(30) (アフタヌーンコミックス) 放課後ていぼう日誌 3 (ヤングチャンピオン烈コミックス) ブラック・ラグーン(11) (サンデーGXコミックス) 図書館の大魔術師(2) (アフタヌーンコミックス) 僕のヒーローアカデミア 21 (ジャンプコミックスDIGITAL) ワールドトリガー 19 (ジャンプコミックスDIGITAL) アオアシ(15) (ビッグコミックス) あさひなぐ(28) (ビッグコミックス) あつまれ!ふしぎ研究部 5 (少年チャンピオン・コミックス) 異種族レビュアーズ 2 (ドラゴンコミックスエイジ) ニュクスの角灯  (5)【電子版特典付】 極主夫道 2巻 (バンチコミックス) ザ・ファブル(16) (ヤングマガジンコミックス) どるから (3) (バンブーコミックス) AIの遺電子 RED QUEEN 3 (少年チャンピオン・コミックス) Artiste 4巻 (バンチコミックス) 世話やきキツネの仙狐さん(3) (角川コミックス・エース)
こちらは継続モノ。102冊。出たばかりのものもあるので、やっと追いついた。全部の感想はとても書けないので、特に気になったものだけピックアップしておく。

三浦建太郎『ベルセルク』40巻、広江礼威『ブラック・ラグーン』11巻、葦原大介『ワールドトリガー』19巻

待ちくたびれたよシリーズ。

ベルセルクは一時期、絵が高みに到達しすぎてヤバかったが、最近は少しマシになってきたか。しかしエレーンがついに……って感じで早くも次が待ち切れない。

ブラック・ラグーンは絵柄がちょっと変わったな。特に目のあたり。久々すぎて作者が描き方を忘れたのだろうか。

ワールドトリガーは、首の病気で1年以上休載していたのだが、掲載誌を変えて再出発という感じ。週刊連載じゃなくなると、この緻密な戦闘の描き方、非主人公サイドの心理描写の描き方は少し変えないと、読む側がダレてしまうなと思う。これについては、ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』や日本橋ヨヲコ『少女ファイト』を例に取るだけで十分だろう。

川崎直孝『ちおちゃんの数学路』9巻、イチヒ『おとなのほうかご』4巻、白乃雪『あたりのキッチン!』4巻、山本さほ『岡崎に捧ぐ』5巻

終わっちゃったものシリーズ。どれも大好きな作品だったが、どれも綺麗に終わったかなと思う。この綺麗に終わるというのが意外に難しくて、「描き尽くした」「味わい尽くした」と作者・読者が双方そう思える作品は貴重だ。なお、『ちおちゃんの通学路』『おとなのほうかご』『岡崎に捧ぐ』の3作品は他に類例を見つけづらい作風なので、「ちおロス」「おとロス」「おかロス」は避けられないわけだが、『あたりのキッチン!』は数ある料理漫画のひとつであり、何とか他の料理漫画で凌いでいきたい。個人的にはさもえど太郎『Artiste』を推す。正確には料理漫画ではなくて料理人漫画、いや料理人として生きる青年を中心とした群像劇か。

岩永亮太郎『Pumpkin Scissors』15〜22巻

元々かなり好きな作品だったが、どうも展開が遅い気がして買うのをしばらく控えていた。そして、何となく「そろそろかな」と思って15巻以降を一気読みしたのだが……凄かった。わたしの漫画に対する嗅覚もかなり鍛えられてきたということかもしれない。まさにピンポイントだった。

服部昇大『邦画プレゼン女子高生 邦キチ』1巻、愛南ぜろ『残機×99』1巻、東谷文仁『ダンジョンのほとりの宿屋の親父』1〜3巻、豊田悠『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』1巻、吉辺あくろ『お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない』1〜2巻、岩永亮太郎『Pumpkin Scissors : Power Snips』1巻、力蔵『世界最強の後衛』1巻、記伊孝『アニウッド大通り』1〜9巻、星海ユミ『ヤンキーショタとオタクおねえさん』1〜4巻、影待蛍太『GROUNDLESS』1巻、佐藤宏海『いそあそび』1〜2巻、杉谷庄吾『映画大好き ポンポさん』1〜2巻、白井弓子『大阪環状結界都市』1巻、川村拓『事情を知らない転校生がグイグイくる。』1巻、臼井ともみ『キューブアーツ』1巻、山田金鉄『あせとせっけん』1巻、瀬戸口みづき『ローカル女子の遠吠え』1巻、手島史飼『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』1巻、大見武士『かみくじむら』1巻、ゴトウユキコ『36度』、山名沢湖『結んで放して』、衿沢世衣子『ベランダは難攻不落のラ・フランス』『制服ぬすまれた』、森山絵凪『この愛は、異端。』1〜3巻、灯台守『イギリスと世界の料理に挑戦』1〜2巻、昆布わかめ『ジャヒー様はくじけない!』1〜3巻、KAKERU『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』1〜3巻、押見修造『ハピネス』1〜9巻、殆ど死んでいる『異世界おじさん』1巻、おいもとじろう『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』1巻、結城鹿介+髭乃慎士『社畜が異世界に飛ばされたと思ったらホワイト企業だった』1巻、瀬野反人『ヘテロゲニア リンギスティコ 〜異種族言語学入門』1巻、小林まこと+恵本裕子『JJM 女子柔道部物語』1〜5巻

邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん (マーガレットコミックスDIGITAL) 残機×99 (BUNCH COMICS) [まとめ買い] ダンジョンのほとりの宿屋の親父 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい 1巻【デジタル版限定特典付き】 (デジタル版ガンガンコミックスpixiv) お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) お従兄さんの引っ越しの片づけが進まない 2巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) Pumpkin Scissors:Power Snips(1) (月刊少年マガジンコミックス) 世界最強の後衛 1 ?迷宮国の新人探索者? (MFC) ASIN:B07DNS5QJK [まとめ買い] ヤンキーショタとオタクおねえさん GROUNDLESS : 1?隻眼の狙撃兵? (アクションコミックス) いそあそび(1) (アフタヌーンコミックス) いそあそび(2) (アフタヌーンコミックス) 映画大好きポンポさん (MFC ジーンピクシブシリーズ) 映画大好きポンポさん2 (MFC ジーンピクシブシリーズ) 大阪環状結界都市 1 (ボニータ・コミックス) 事情を知らない転校生がグイグイくる。 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER) キューブアーツ 1巻 (バンチコミックス) あせとせっけん(1) (モーニングコミックス) ローカル女子の遠吠え【電子限定版】 1巻 (まんがタイムコミックス) 魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?1 (HJコミックス) かみくじむら(1) (ヤングキングコミックス) 36度 (モーニングコミックス) 結んで放して (アクションコミックス) ベランダは難攻不落のラ・フランス (CUE COMICS) 制服ぬすまれた (flowers コミックス) ASIN:B07BXW1BWM イギリスと世界の料理に挑戦 その1 イギリスと世界の料理に挑戦 その2: イギリス食生活春夏秋冬 [まとめ買い] ジャヒー様はくじけない! 科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌 1 (チャンピオンREDコミックス) 科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌 2 (チャンピオンREDコミックス) 科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌 3 (チャンピオンREDコミックス) [まとめ買い] ハピネス 異世界おじさん 1 (MFC) 痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 (1) (角川コミックス・エース) 社畜が異世界に飛ばされたと思ったらホワイト企業だった 1 (電撃コミックスNEXT) ヘテロゲニア リンギスティコ ?異種族言語学入門? (1) (角川コミックス・エース) ASIN:B07KT4KTZ2
続いて、新しく手に取った作品68冊。こちらも全量の感想はとても書けないので、特に気になった作品だけピックアップする。

服部昇大『邦画プレゼン女子高生 邦キチ』1巻、杉谷庄吾『映画大好き ポンポさん』1〜2巻

この2冊はどちらも映画をモチーフとした作品なのだが、わたしの中では1年に1冊あるかないかの大発見で、この170冊の中でも白眉と言って良い。

実は映画をモチーフとした漫画は、料理漫画ほどはジャンル化されていないものの、実は幾つかある。大きく「登場人物が映画紹介をする漫画」と「登場人物が映画を創ろうとする漫画」に分けられるのだが、服部昇大『邦画プレゼン女子高生 邦キチ』は前者である。ビリー『シネマこんぷれっくす!』、アサイ『木根さんの1人でキネマ』、篠房六郎『おやすみシェヘラザード』、芳崎せいむ『テレキネシス 山手テレビキネマ室』あたりが同じジャンルの漫画として挙げられるだろう。一応、黒田硫黄『映画に毛が3本!』も映画紹介漫画と言って良いかもしれない。いずれにせよ、フツーに映画を紹介するだけだとなかなか漫画として成立しないので、どの漫画も映画をどう紹介し、どう絡めるかは色々と考えているなーと思う。例えば『シネマこんぷれっくす!』は漫画の登場人物を映画オタクの類型として登場させ、彼ら・彼女らを議論させることで興味を惹かせる手法、芳崎せいむ『テレキネシス』は深い人間ドラマと映画を絡めて紹介する手法、そして篠房六郎『おやすみシェヘラザード』はヒロインが面白い映画を上手く紹介できないというトリッキーなアプローチで逆説的に映画紹介漫画として成立させている。で、この『邦キチ』の面白いところは、徹底したボケとツッコミの面白さである。登場人物は主に2人、アメリカ映画を普通に楽しむ程度の男子高校生と、彼から「邦キチ(邦画キ○ガイ)」と呼ばれるB級邦画マニアの女子高校生で、主に邦キチがB級映画のプレゼンをして男子高校生がツッコミを入れるという構図なのだが、とにかく面白くてゲラゲラ笑えるし、実際に映画を観てみたくなる。

杉谷庄吾『映画大好き ポンポさん』は後者、すなわち映画作りをモチーフとした漫画である。これも数は多くないが幾つか同ジャンルの漫画があり、わたしは細野不二彦『あどりぶシネ倶楽部』、今井哲也『ハックス!』、大童澄瞳『映像研には手を出すな!』あたりがパッと思い浮かんだ。といっても『ハックス!』はアニメ映画だし、『映像研には手を出すな!』は単にアニメーションかもしれん。でもまあ映像作品作りという意味では一緒だから話を進めるが、この種の漫画はとにかく「ものをクリエイトしたい!」という思いがビンビン伝わってくれないと話にならないわけだが、この『ポンポさん』はとんでもない熱量がある。この杉谷庄吾という方自身に強い創作のマグマがないと、ここまでの物語は生み出せないだろうなと思った。

2冊とも大推薦。

瀬野反人『ヘテロゲニア リンギスティコ 〜異種族言語学入門』1巻

主人公は、文化人類学者のような人なのだが、師匠である学者先生が体調を崩し、独りで「魔界」にフィールドワークするという設定。

まず言葉がわからないし、言葉の裏側の概念もわからないし、そのような中で身振り手振りで……といっても身振り手振りの概念すら異なる。それでも同じ人間なら……という期待もむなしく、相手はワーウルフであり、スライムであり、クラーケンであり、リザードマンである。ワーウルフはまだかなり人間に近いが、人間が息を吐く際に発話するのに大して、ワーウルフは息を吸う際に発話する。しかもワーウルフは嗅覚が発達した結果「嗅覚言語」のような概念があり、嗅覚で色々わかってしまうことをそもそも尋ねない。さらには、人間に聞き取れない周波数で会話をする種族とか、クラーケンは色相で会話をするとか、ワーウルフのように色の区別がそれほどできない種族とクラーケンは身振り手振りで会話をするが、例えば人間のような「指差し」の概念がない等、非常に細かく設定が作り込まれている。読んでいてとにかく面白い。

わたしとしては、この1巻が爆発的に売れて、作者に印税がガッポリ入り、しっかり設定を考えながらじっくりと作品を描き続けてほしいと思うのだが、さてどうなるかな。わたしは自分のブログをアフィサイト化する趣味はゼロなのだが、わたしのような泡沫ブロガーではいくら大推薦してもこの漫画を買ってくれる人は数人だろう。誰か有名ブロガーが目をつけて、この作品を推薦してくれることを祈るばかりである。

ヘテロゲニア リンギスティコ ?異種族言語学入門? (1) (角川コミックス・エース)

ヘテロゲニア リンギスティコ ?異種族言語学入門? (1) (角川コミックス・エース)

『ペルソナ5』

ペルソナ5 新価格版 - PS4

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泣く子も黙る、ジュヴナイルファンタジーの大傑作シリーズ。

ペルソナ1からずっとプレイしてきて、1や2のダークなスタイルを推すコアなメガテンファンも多いのだが、わたしとしては圧倒的に3以降を推す。

キャラが立っていて、自分自身と向き合って、問題を乗り越え、成長することが「是」であるからだ。ジョジョとタメを張るレベルでの圧倒的な人間賛歌である。

ペルソナ3も、4も、かなり泣いた。

5も泣いた。

でも実は5はまだクリアできていないという。ラストダンジョンで未だに止まっている状態。早くクリアしないとね。

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD]

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『if もしも』というフジテレビのオムニバスドラマがあった。A子と結婚するかB子と結婚するかといった大きな選択から、左と右の椅子どちらに座るかといった些細な選択まで、人生は無限の選択の連続で出来上がっていると言っても良い。本来、選択しなかった未来は永遠に経験することはできないわけだが、両方の選択を見てみましょうというのがこのドラマのコンセプトである。実際のテレビではタモリがナビゲーターとなって、2つの選択を選んだ結末をそれぞれ見せてくれていた。この物語は、些細な選択によって結末がガラッと変わる、まさに「バタフライ効果」としか言いようのないものもあれば、どちらを選んでもバッドエンドしか迎えられないビターテイストの物語もあった。しかしいずれにせよわたしはこの種の物語が大好きだったらしい。当時中学生の頃だったはずだが、ほぼ毎週チェックしていた。Wikipediaを見ると、わずか半年間しか放送されなかったそうだが、このテンプレート自体、今もう一度やっても絶対に面白いと思う。若手の映像クリエーターがこぞって応募してくるんじゃないかな。

実は、本作『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は、映画でも何でもなく、当初はこの『if もしも』というオムニバスの1回分の放送に過ぎなかった。わたしは幸運にもリアルタイムでこのドラマを見ることができ、そして……文字通り「衝撃」を受けた。わたしはたまたまビデオに録画していて、擦り切れるように繰り返し見た。その後、これが岩井俊二の作品であること、世の中的にも異例とも言えるほどの評価を得ていたことは、ずっと後になってから知ることになる。本当に優れた作品は、「ブランド」や「プロモーション」がなくとも人を惹きつける力があるということだろう。

閑話休題。ストーリーは、「引っ越し」におけるクラスメートとの別れの物語であり、友情と恋の物語である。Wikipediaを引用しておこう(役者名の補足はわたしによるもの)。

小学生の典道(山崎裕太)と祐介(反田孝幸)は仲の良い友達だが、実は2人とも同級生のなずな(奥菜恵)のことが好きだった。しかしなずな(奥菜恵)の両親が離婚し、彼女が母親に引き取られて2学期から転校することになっているとは、2人には知るよしもなかった。親に反発したなずな(奥菜恵)は、プールで競争する典道(山崎裕太)と祐介(反田孝幸)を見て、勝った方と駆け落ちしようとひそかに賭けをする。勝ったのは祐介(反田孝幸)か? 典道(山崎裕太)か? 勝負のあとから、異なる2つの物語が展開する。

典道(山崎裕太)の感情、祐介(反田孝幸)の感情、2人の関係性と、これまた10分や20分では到底語り尽くせぬほど色々あるのだが、ここではやはり、なずな(奥菜恵)について語りたい。以降、奥菜恵・山崎裕太・反田孝幸と、役名ではなく役者名で話を続ける。この作品を初めて観た時は、少年たちの年齢相応(もしくは年齢以下)の見た目と、ヒロインである奥菜恵のあまりにも大人びた姿のギャップに違和感を覚えるかもしれない。登場人物は小学5年生とか6年生という設定なのだろうが、奥菜恵は明らかに異質だ。小学生ではないようにみえる。Wikipediaを見ると、山崎裕太と反田孝幸は二人とも1981年生まれで、奥菜恵は1979年生まれ、つまり2歳差だ。この実際的な年齢差が、初めてこの作品を見たときの「違和感」に繋がるのだろう。しかし何度か見返すうちに、わたしはこれが非常に良い塩梅だと思うようになった。何を言いたいのかというと、わたしの少年時代を思い返してみても、あるいはごく一般的な少年少女の成長過程を観察しても、小学校高学年の男子はどこまで行ってもガキであり、女子は既に大人に足を踏み入れているという率直な実感である。身長体重といった話を除けば、実際のところ、小学校高学年の男子と女子には、明らかに数年分の精神年齢の差があったのだろうと思う。

さて、詳しいストーリーはネタバレを極力避けるべく書かないようにしたのだが、今回は是非とも自分の中から吐き出して書きたい「シーン」が幾つかあり、結局ある程度のネタバレがある。その点ご了承いただきたい。それは全て、奥菜恵の演技(あるいは演技とも呼べない無自覚な振る舞い)である。

まず奥菜恵の昼間の小学校でのシーン。既に女性としての魅力が少しずつ無自覚に匂い立ってしまっている。しかしこれはあくまでも無自覚な、イノセントな振る舞いなのである。理科の実験のために電気を消した教室で炎に照らされた姿、無邪気にプールサイドに横たわって片足だけプールに入れている姿、蟻が首筋や鎖骨のあたりを歩いているのを指摘され「取ってよ」とお願いする姿、全てが奇跡的なバランスである。

続いて、夕方、浴衣を着て主人公の山崎裕太と「駆け落ち」と称して駅まで行くシーン。奥菜恵は駅のトイレに行き、浴衣を全部脱いで普通の洋服に着替え、そして化粧をする。田舎の駅のトイレはかなりオープンな感じだが、山崎裕太は(当たり前だが)それを直接見ることはできない。衝立を挟んだ向こう側に山崎裕太はいるわけだ。そして衝立越しに奥菜恵の存在を感じ、浴衣を脱いだり服を着たりする衣擦れの音を聞き、衝立の隙間から奥菜恵の足首を見てしまうのだ。このシーンに現実に立ち会った少年は120%変態になるだろうなと思うが、それはまあ置いといて、着替えを終えた奥菜恵は化粧をしてグッと大人っぽい表情になって出てきて、山崎裕太に問う。「どう? 16歳に見える?」と。これは「駆け落ち」をすると生活のためにどこかで金を稼がなきゃならないが、自分が16歳に見えると夜の仕事もできるから何とかなるよね、とまあそういう会話をしているから出て来る発言である。しかしわたしは化粧をした大人びた格好とこの発言を聞いて、逆に子供っぽさを感じた。彼女は背伸びをしているのだ、精一杯。無自覚に匂い立ったイノセントな魅力ではなく、少しでも大人に見せようという背伸びをした魅力。どちらも魅力的だが、やはりイノセントな魅力には叶わない。

なお、結局「駆け落ち」は中止して地元に戻ってきて、奥菜恵と山崎裕太は夜の小学校のプールに忍び込む。そして奥菜恵は山崎裕太の静止も聞かず服を着たままプールの中に入り、水の中に頭の先まで潜ってしまう。そしてバシャバシャと顔を洗うのだ。そして山崎裕太を見つめてはにかんだ笑顔を見せる……。わたしはこれが、夕方に駅のトイレで施した化粧を落とす仕草に見えた。奥菜恵は、背伸びした自分から、もう一度「ただの少女」である自分に戻り、二人は何も考えずプールで二人だけの水遊びをするのである。興味深いことに、ここでは何故か昼間に感じ取れた奥菜恵の女性としての魅力はほとんど見えなくなっている。どこまで行っても子供の山崎裕太と、大人に足を踏み入れた奥菜恵が、「わかり合った」「一体化した」瞬間なのだと思う。しかし……何度も見返すうちに、わたしは思った。ここで2人が「わかり合う」ためには、あくまでも大人に足を踏み入れた奥菜恵が、何かを諦めて、子供に戻る必要があったのではないかと。そしてこの「子供に戻る行為」そのものが、あのバシャバシャと顔を洗って笑顔を見せる行為ではなかったかと。

時間を忘れて遊ぶ2人……そしてぷかぷかと水面に浮かぶ2人……夜のプールの水面に明かりが反射し、レトロさを感じるざらついた画質と相まって、ほとんど神々しいまでの美しい映像美である。再び奇跡的なバランスの美しさが見る者の心臓を射抜く。そして彼女は言う。「今度会えるの2学期だね……楽しみだね」と。ここでわたしは気づくのだ。彼女が「ただの子供」であった時間はもう終わったのだと。彼女は、綺麗な終わり方、綺麗なお別れの仕方を求め、もう引っ越してしまうことを口にはしない。当然、山崎裕太は気づかない。しかし見る者は知っている。もう2人が会えなくなることに。笑顔で「楽しみだね」と言った後、山崎裕太に背を向けてゆっくりと泳ぎだす奥菜恵の表情はどんなだっただろうか? 泣いていただろうか? もしかしたら、わたしは泣いていないのではないかと思った。後ろを向いても泣かないところまでが、家族に翻弄された彼女の意地だったのではないかと。

わたしはもう20回はこの作品を見ているのだが、泣いていなかったかもしれない彼女を想い、今回もまた泣いてしまった。

このシーンを泣かずに通り抜けることができれば、40歳を迎えながら未だに大人になり切れないわたしも、心の底から大人になれるだろうか?

最後に、奥菜恵に「楽しみだね」と言われ、背を向けてゆっくりと泳ぎ出す奥菜恵を見つめる山崎裕太の表情はどんなだっただろうか? 引っ越しをしてもう会えないことまでは当然気づかないだろう。自分が今抱いている感情が恋であることすら気づいていないであろうガキである。しかし山崎裕太は、何かを感じたのではないか、感じ入ったのではないかと思う。エピローグで彼は、浜で花火を見ながら何を考えたのだろう。数年後、またこの作品を見て、そんなことを考えるかもしれない。

武田雄治+吉岡博樹『先行開示事例から学び取るIFRS導入プロジェクトの実務』

先行開示事例から学び取る IFRS導入プロジェクトの実務

先行開示事例から学び取る IFRS導入プロジェクトの実務

先行開示事例を複数並べるというコンセプトは面白いが、IFRSってそもそも日本では強制されているわけではないから、先行事例ありきで考えるというのに何となく違和感がある。本のコンセプト自体は面白いんだけどね。

佐藤優『40代でシフトする働き方の極意』

40代でシフトする働き方の極意

40代でシフトする働き方の極意

世代や年齢に過剰な意味を見出すのは好きではないのだが、佐藤優が書いた本なので買ってみた……のだが、うーん、佐藤優は自身の「経験」そのものが極めて濃密でかつ示唆に富んでいるから、こういう風に一般化してアドバイスされると「なるほど」って感じになっちゃうなあ。良くも悪くもない感じ?

個人的には、佐藤優の作品なら他の本を薦めたい。

『ナイツのヤホーで調べました』『21世紀大ナイツ展』『ナイツ独演会』『ナイツ独演会 其の二』『ナイツ独演会 〜浅草百年物語〜』『ナイツ独演会 主は今来て今帰る。』『二人対談』『ナイツ独演会 顎を引いて頑張れ。』『ナイツ独演会 この山吹色の下着』『ナイツ独演会 味のない氷だった』

笑魂シリーズ ナイツ 「ナイツのヤホーで調べました」 [DVD]

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ナイツ単独ライブ「21世紀大ナイツ展」 [DVD]

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ナイツ独演会 [DVD]

ナイツ独演会 [DVD]

ナイツ独演会 其の二 [DVD]

ナイツ独演会 其の二 [DVD]

ナイツ独演会 ~浅草百年物語~ [DVD]

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ナイツ独演会 主は今来て今帰る。 [DVD]

ナイツ独演会 主は今来て今帰る。 [DVD]

二人対談 [DVD]

二人対談 [DVD]

ナイツ独演会 顎を引いて頑張れ。 [DVD]

ナイツ独演会 顎を引いて頑張れ。 [DVD]

ナイツ独演会 この山吹色の下着 [DVD]

ナイツ独演会 この山吹色の下着 [DVD]

ナイツ独演会 味のない氷だった [DVD]

ナイツ独演会 味のない氷だった [DVD]

ナイツのお笑いDVDは、とにかく面白い。売れても「寄席芸人」であることを崩しておらず、面白さが全く衰えない。

どれも面白いんだが、まーまずは最新から観てはどうか。新しい方がより面白い。

あとは『主は今来て今帰る。』で半沢直樹のパロディーをやっているので、半沢直樹を知っている方はここから見ても良いかもしれない。「今でしょ」「おもてなし」等、今からすると、ちょっと昔の流行語がお笑いになっているのも逆に新鮮で良い。

『Re:ゼロから始める異世界生活』

最近よくある、いわゆる「なろう系」と呼ばれる異世界転生ファンタジー。

よくあるというのは、これらの「なろう系」と呼ばれるジャンルが共通点のようなものを持っているからである。

  • まず、前世の記憶を持ってファンタジー世界に転生する。
  • 次に、ごくあっさりとその世界に順応する。
  • そして、多くの場合、主人公は転生したときに何らかのチート能力を持っており、その能力を使って大活躍する(今風に言うと「無双する」)。

細かいこたぁどうでも良いんだよ、主人公が異世界で無双するのが見たい、というのが「なろう系」の根本発想となる。

本作の場合も、主人公が前世の記憶を持って意味不明のまま転生し、普通ならあらゆる手段を用いて戻ろうとするわけだが、ごくあっさりと異世界を受け入れる。そして主人公には「死に戻り」というチート能力がついている。これはいわゆるセーブポイントのようなもので、死んでもある程度の場所から生き返ってしまうのである。ただしどこから始まるかを選ぶことはできないし、主人公にとっての「山場」のようなものを超えると、また次のセーブポイントに移る。れだけ聞くと無敵なのだが、l回数制限があるのかとか、死に戻りを活用することによる長期的なデメリット(例えば寿命が縮んでいるとか)がよくわからないので、あまり好き勝手に使うのは怖い。怖いんだけど、チート能力であることは事実であり、(ある程度体は鍛えているものの)特別な能力を持たない主人公であっても、死んだ後、どこで失敗したかを考えて、何度か再チャレンジして、苦境を乗り越える……とまあ、こういう筋書きになる。

正直、あまりにも「なろう系」のテンプレート過ぎてあまり興味はなかったのだが、いざ観てみると面白く、一気に最後まで見てしまった。