インキュベ日記

書評3100冊・漫画評5700冊・DVD評500枚の「質より量」な記録サイト(稀に質も重視)

馬場康誌『ライドンキング』1〜3巻

プーチンを思わせる武闘派の大統領が、ある日、異世界に転生! というありそうでなかった設定。

この武闘派大統領は、人並み外れた体力と体術を持っている上、気合を入れると異世界で言う「魔力」を膨大に出力することができる、という謎チート能力を持っている。それでいて、金も名誉も不老不死も要らず、ただ強大な敵に挑んでそれを乗りこなしたいという強い思いがある……だから異世界で生息する竜だのケンタウロスだのを乗りこなしたい、とまあそういうお話。

まあ作者は、そんなこたぁどうでも良いから筋肉を描かせろ、と思ってるかもしれん笑

続きが楽しみな漫画がまたひとつ増えた。

遠藤達哉『SPY × FAMILY』2巻

SPY×FAMILY 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

SPY×FAMILY 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

父はスパイ、母は殺し屋、娘は超能力者(相手の心が読める)。

父は、敵国の要人に近づくために名門校に娘を入学させる必要があり、家族が必要だった。

母は、良い年をして結婚しないことで周囲から疑われるリスクを避け、殺し屋稼業を続けるため、家族が必要だった。

娘は、劣悪な施設から抜け出し、わくわくする毎日を送るために、家族が必要だった。

それぞれがそれぞれの出自や目的を隠し、かりそめの家族を作り上げる……そんな物語。

とはいえ母は天然キャラ寄りで、娘は(相手の心は読めるけど)頭が良いわけではないため、全体としてはコメディ寄りのドタバタ劇。

作画・ストーリーともに安定しており、安心して読める。

藤本タツキ『チェンソーマン』4巻

チェンソーマン 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

チェンソーマン 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

デビルハンターとして借金取りにこき使われていたワープア主人公が、色々あってお供に連れてた悪魔と合体して、その名の通りチェンソーマンになって、今度は公僕の犬となってデビルハンターの稼業を続けるというアウトライン……だったんだが、なかなか展開が早い。4巻にして、当初のお仲間がほとんど死んでおり、主人公は明らかに今の自分では勝てない敵に挑むため(というか3巻でボッコボコされた)、特訓のようなものをする。が、それも雑。そして雑なまま敵陣に突入するような感じに。

ざらついた絵柄、光るコマ割りやカメラワーク、絶妙に感情移入させてくれないキャラクター、そして上記で書いた予想のつかない展開……これはジャンプらしからぬ傑作だ。しかも王道っぽさもちょっとだけあって、これがまた絶妙なバランス。ジャンプは陣容が厚いというか、懐が深いというか。

5巻も気になるなー。

山田胡瓜『AIの遺電子 RED QUEEN』5巻

AIの遺電子 RED QUEEN 5 AIの遺電子 RED QUEEN (少年チャンピオン・コミックス)

AIの遺電子 RED QUEEN 5 AIの遺電子 RED QUEEN (少年チャンピオン・コミックス)

あれ、完結してしまった。

『AIの遺電子』では、人間、人間と同じような心と権利を有して生きているヒューマノイド、人間やヒューマノイドに仕えるロボット、ヒューマノイドやロボットを生み出した超高度AI、という4つの知的存在がいるという設定の下、主人公はヒューマノイドを専門とする医師として一話完結式の物語を(良い意味で)大量生産していた。その後、『AIの遺電子 RED QUEEN』として、国家レベル・民族レベルでの非常に大きな物語を展開し始めたんだが、正直なところRED QUEENについては風呂敷を広げるのも畳むのもやや失敗したかなと思う。消化不良というかね。

まあ仕切り直して、また新しい作品を読ませてくれることを期待している。

小宮一慶『図解「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書』

図解「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書

図解「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書

会計や財務や経営指標に関する本は、拾い読み(このブログに書いていないもの)も含めるとかなりの数、手に取ってきた。そして都度、わかりやすいだのわかりづらいだのと言ってきた。だから経営指標もある程度はわかるし、基本的な会計や財務の考え方もわかる。だが、普段わたしが財務を専門としていないこともあり、どうも「もや」がかかっている状態が続き、それが晴れることは一度もなかった。端的に書くと「腹落ち感がない」状態なのである。わたしは会計やファイナンスについては、まだ他人に自信を持ってどうこう言える状態ではない。

そんな中、本書はこれまで読んだ本の中で最もその「もや」が晴れそうだという手応えを得られた本である。会計知識ゼロの初心者でもゆっくりしっかり読めば理解できる丁寧な説明で、かつ初級編・中級編・上級編と段階を追って説明が高度化していく。わたしが何となく感じていた「ROEってそこまで万能なのか?」「ROEが高ければ良い企業とは言えないだろう」という疑問にもしっかり答えてくれている。

10回は読み返したい。

Kindle版で読んだが、紙の本でも買おうかな。

櫻田潤『図で考える。シンプルになる。』

図で考える。シンプルになる。

図で考える。シンプルになる。

『たのしいインフォグラフィック入門』の著者。

本書のポイントは非常にシンプルで、図解思考を身につけるために、使うツールを7つに絞りましょうというものだ。

絞られたツールは以下の7つである。括弧内はわたしの補足。

  1. 交換の図(要するにミステリ小説や漫画とかで出てくる人物相関図)
  2. ツリーの図(そのまんまツリー図)
  3. 深掘りの図(ツリー図と似ているが、上から下に「なぜなぜ」で掘り下げる図)
  4. 比較の図(縦横グラフ、または四象限の図)
  5. 段取りの図(よくあるホームベース型のフロー図)
  6. 重なりの図(色や光の三原色みたいな円と円が一部重なっている図)
  7. ピラミッドの図(そのまんまピラミッドの図)

図解ツールそのものを絞ってしまうのは、わたしも「アリ」だと思う。ただ、7つは多すぎじゃないか。ピラミッド図とか重なりの図とか、まず最初に手にする武器としては使用頻度が少ない気がするし、ツリー図と深堀りの図も関係を階層化している点で、やっていることは似ている。そう考えると、交換の図・ツリーの図・比較の図・段取りの図の4つで良いんじゃないかな。

ま、本書は難しいことにチャレンジしているとは思う。本来はこういう風に与えられたアドバイスを踏まえながら自分に必要なツールを取捨選択すべきものなのだろう。しかしそうではない読者に手に取ってもらい、活用してもらうことを本書は目指しているのである。そうすると、足りないよりは、やや多いぐらいの方が良いという考え方もあり得る。

余談1

ツールのパターンを絞り込むというアプローチは手塚貞治という人が『戦略フレームワークの思考法』という本でも実践している。

incubator.hatenablog.com

余談2

著者は最近、『たのしいスケッチノート』という新刊を出している。Amazonの内容紹介を読むと、インフォグラフィックやグラフィックレコーディング(グラレコ)について触れてあるようだ。気になるので読んでみるかな。

たのしいスケッチノート ―思考の視覚化のためのビジュアルノートテイキング入門

たのしいスケッチノート ―思考の視覚化のためのビジュアルノートテイキング入門

櫻田潤『ビジュアルシンキング・プレゼンテーション』

昨日、同じ著者の『たのしいインフォグラフィック入門』を取り上げたのだが、他にも本を出しているなーと思ってついでに読んでみた。

けど、どうもピントを外している気がする。図解、ビジュアルシンキング、プレゼンテーション、よく似ているようで全部違うスキルだ。その辺がごっちゃになっている感じがして、あまり魅力を感じない。