インキュベ日記

書評2700冊・漫画評4000冊・DVD評400枚の「質より量」な記録サイト(稀に質も重視)

大童澄瞳『映像研には手を出すな!』2巻

映像研には手を出すな!(2) (ビッグコミックス)

映像研には手を出すな!(2) (ビッグコミックス)

アニメを(予算もぶんどった上で)自分で作ってしまうという女子高生3人。こんな高校生いるかという感じだが、まあ世の中には実際いるんだろうなー。けっこう面白いんだが、どうなんだろ、あまり世間的に盛り上がっている感じはしないなあ。

ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』28巻

おおきく振りかぶって(28) (アフタヌーンKC)

おおきく振りかぶって(28) (アフタヌーンKC)

28巻で、まだ1年目の秋か。

『GIANT KILLING』もそうだが、試合を丁寧に書くのは良いが、これだと100巻かけても終わらんよ。おお振りは1年間で終えるつもりなのかなー。高校の部活、特に甲子園モノは基本的に3年間(実質的には2年と数ヶ月)を書いてナンボだと思うんだがなー。

相田裕『1518! イチゴーイチハチ!』1〜4巻

1518! イチゴーイチハチ!(1) (ビッグコミックス)

1518! イチゴーイチハチ!(1) (ビッグコミックス)

1518! イチゴーイチハチ!(2) (ビッグコミックス)

1518! イチゴーイチハチ!(2) (ビッグコミックス)

1518! イチゴーイチハチ!(3) (ビッグコミックス)

1518! イチゴーイチハチ!(3) (ビッグコミックス)

1518! イチゴーイチハチ!(4) (ビッグコミックス)

1518! イチゴーイチハチ!(4) (ビッグコミックス)

私立松栢学院大付属武蔵第一高校(松武高校)という部活動や学校行事が盛んな進学校、中でも生徒会メンバーを中心とした青春群像劇。主人公は……誰だろう。3人なんだろうな。

  • まず、強豪リトルリーグの15番だった高校1年生(烏谷)。中学生で140キロ投げる才能の塊だったが、肘をやられ、リハビリを焦ってさらに悪化させてしまう。野球を諦めきれず、辛抱強くリハビリを続けながら野球の強豪校(松武)に入学するも、入部できるほどコンディションが上がっていないことから日々プラプラしていたところ、まあ色々あって生徒会を手伝うことになる。
  • 次に、女性ながらリトルリーグで18番を背負いマウンドを守っていた高校3年生の生徒会長(亘)。彼女は、男の筋力・体力に段々ついていけなくなり、中3の時、当時中1だった烏谷に打たれて野球を辞めることになる。そして高校では生徒会活動にのめり込む。亘にとって烏谷はいわば因縁の相手である。
  • 最後に、中学生時代に亘の後輩だった高校1年生の女子生徒(丸山)。彼女はスポーツにおける際立った才能はなく、したがって際立った挫折もなく、ただ背が低いことでバスケットボール部で活躍できなかったというやんわりとした挫折はある。そして高校では新しいことをしてみようと思い立ち、烏谷の誘いに応じて生徒会に入ろうと思っている。

作品名は「1518」で、高校生の年齢であると同時に、亘と烏谷の背番号でもある、ダブルミーニングなのだと理解した。つまり松武の皆の高校生活を描くと同時に、亘と烏谷の二人が挫折と向き合って新しい人生・新しい生き甲斐を見つけていく物語(そしてその二人を支え、変えていく丸山の物語)である。

わたしは、実は「完結した物語のその後」や「クライマックスを経て燃え尽きた人間のその後」というモチーフに凄く惹かれる。とりわけ「若くして終わってしまった人間のその後」というモチーフには運命的なものすら感じる。何ならこのモチーフで小説を書いてデビューしてやろうかと言うぐらいに。少年漫画では「それ」で良い。ロールプレイングゲームでも「それ」で良いだろう。その後は蛇足に過ぎないのだから。しかし人生は、クライマックスの後やラスボスの後も続くのである。人生は長く、良い時も悪い時もある。そして人生は誰しもが死をもって終わる。目を背けても、真実は変わらないのだ。

数は少ないながら、この真実にスポットライトを当てた作品も存在する。魔王を倒した後の勇者の婚活を描いた『伝説の勇者の婚活』、最後の戦いを終えたのに変身状態から戻れなくなった戦隊ヒーローを描いた『鋼鉄奇士 シュヴァリオン』、幼馴染の死という残酷な事実を突き付けられて若くして心が死んでしまった主人公を描いた『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』などがパッと思い浮かぶ。この作品は、わたしが挙げた作品ほどには極端な設定ではないが、広義にはこの系譜に位置づけられると理解している。いわば『SLUM DANK』の正反対だ。クライマックスの後も人生は続くのだということに真摯に向き合った作品群だ。

既に4巻まで発売されているが、これまで何度読んだことだろう。そして何度涙したことだろう。大人も子供も、登場人物の皆があたたかく、必死である。5巻がとにかく待ちきれない。

つるの剛士『つるの将棋女流七番勝負』

つるの将棋女流七番勝負

つるの将棋女流七番勝負

先日読んだ『つるの将棋七番勝負』の続編。
incubator.hatenablog.com

今度は女流棋士との七番勝負である。

個人的には、男と女に体力の差はあれど知力の差はない(とされている、少なくとも脳の働きの特性はあれど知能の優劣は証明されていない)のだから、女流棋士という役割というか制度に、あまり好意的な印象を抱いていなかった。しかし事実として将棋の対局には物凄い体力・集中力が必要とされるわけで、別に男女分かれていても、それはそれでありなのかもしれないと思うようになった。どちらかと言えば、今の制度にいちゃもんをつけるよりは、ありのままを楽しもうという態度である。

実際に女流棋士たちのインタビューを見てみると、男以上に早くプロになって逆に苦しい思いをした人や、男顔負けの激しい攻めをする人など、色々と個性豊かである。

面白い。

三菱商事株式会社『BUSINESS PRODUCERS 総合商社の、つぎへ』

BUSINESS PRODUCERS 総合商社の、つぎへ

BUSINESS PRODUCERS 総合商社の、つぎへ

商社が商社を再定義した本である。

三井物産も以前、『総合商社図鑑 未来をつくる仕事がここにある』という本を作ったのだが、どちらもビジュアル重視で感性に訴えかける本である。
incubator.hatenablog.com

商社=問屋、右から左に流して利ざやを得る、というイメージが強いので、その先入観を取っ払うためにビジュアル重視なのだろう。

少し脱線すると、インターネットが発達して誰でも世界中の情報にアクセスできるようになった結果、こうした問屋的なビジネスは価値を失うという見方が、一昔前の主流派の考え方であった。わたしもご多分に漏れずそう思っていた節がある。しかし実は、この情報化社会においては「逆説的に」問屋としての機能はますます重要になっている、というのがわたしの見立てである。それは情報が少なすぎるからか? それとも情報にアクセスするのが難しいからか? どちらも否。情報が多すぎるのである。昔は、普通の人や会社では世界中の情報にアクセスすることが極めて困難であったから問屋は価値を出せた。今は、普通の人や会社では多すぎる情報を見分ける・仕分けることが極めて困難であるから問屋は価値を出せる。

その意味で、旧来的な商社の価値は未だに十分ある。

しかし本書は問屋としてではなくビジネスプロデューサーとしての商社の価値に側面を当てた本である。商社は今、総合商社と専門商社で物凄い断絶がある。ほとんどの専門商社は、旧来的な問屋的ビジネスモデルである。右から左に流して、大量購入によるコストメリットや物流上の保証により利ざやを得る問屋的なビジネスモデルだ。しかし大手4社ないし5社の総合商社は、総合商社により少しずつ濃淡があれど、問屋的なビジネスモデルでの売上の割合はせいぜい半分程度である。残りの半分は、本書のタイトルでもあるビジネスプロデューサー的な動き、あるいは投資銀行的な動きで金を稼いでいるのである。その辺の動きや狙いが、本書を読むとけっこうよくわかる。

蘇募ロウ『なんでここに先生が!?』1〜2巻

なんでここに先生が!?(1) (ヤングマガジンコミックス)

なんでここに先生が!?(1) (ヤングマガジンコミックス)

なんでここに先生が!?(2) (ヤングマガジンコミックス)

なんでここに先生が!?(2) (ヤングマガジンコミックス)

先生と「そんなことあるか!?」というムフフな展開になるが、先生が怖くて素直に楽しめない……生殺し的なシチュエーションを楽しむ漫画。2巻は(一応1巻の先生と生徒もいるのだが)主人公が別のカップルに変わり、二度おいしい。

岡本倫『パラレルパラダイス』1巻

パラレルパラダイス(1) (ヤングマガジンコミックス)

パラレルパラダイス(1) (ヤングマガジンコミックス)

女性しかいない世界に青少年が迷い込む……というファンタジー。まあ設定としてはありふれているのだが、そこから先が凄い。もう、ここの女性は全員、本能として男性を求めまくっており、男がいるとわかっただけで下腹部から噴水のように愛液が吹き出し、人格まで変わってしまうという。

ここまで来るとギャグ漫画としか言いようがなく、実際、ネタ的に色々なところで取り上げられているようだ。わたしも思わず笑ってしまった。