出口汪『源氏物語が面白いほどわかる本』

著者の出口汪は予備校講師だが、著書は合計売り上げ部数300万部を誇り、まさに現代文講師のカリスマの名に相応しい。良くも悪くも「現代文ナンバー1講師」と呼べるだろう。その出口汪が源氏物語を解説したのが本書である。小さな本屋には置いてないことが多く、これが受験生の新定番になるかどうかはわからない。でも源氏物語の概観を掴むのには便利である。平易な文章なので、文字を読むのが嫌いでなければ中学生でも充分に楽しめるレベルであろう。

しかし、とにかく帯が凄い。

300万部突破の受験会のカリスマ講師 出口汪が書いた金字塔!
「谷崎源氏」「丸地源氏」「橋本・窯変源氏」「瀬戸内源氏」、
そして「あさきゆめみし」では決して表現できない
ゾクゾクするほど面白い出口「源氏」!!

どこぞの広告団体に過剰広告で怒られるんじゃないかってほど自信満々だが、わかりやすいことは確かだ。参考書的な解説がゾクゾクするほど面白いかどうかは微妙なところだし、コレで源氏物語をわかったつもりになるのは非常に危険だとも思うが、それでも源氏物語の最初から最後までのストーリーや人物関係その他諸々が1冊で俯瞰できるのは良いと思う。