村上龍『アウェーで戦うために』

村上龍のサッカー・エッセイ第3弾。

第3弾ともなると緊張感がないというか、惰性で続いてる感が強い。あと、村上龍は中田の話が多すぎる。(数えたわけではないが、おそらく)本書の半分以上は中田の話題で占められている。ミーハー中田ファンとどこが違うのか、と思わず茶々を入れたくなる。裏表紙の「挑発的サッカー・エッセイ」の名が泣くぞ。まるで挑発的じゃない。中田が世界レベルの選手であることは、もう今なら常識である。村上龍はいつもこうだ。一昔前のテニスといい、今のサッカーや経済といい、流行への嗅覚はハイエナの如しである。まあ長所でも短所でもあるから、一概には言えないところもあるのだが。