すべての男は消耗品である。VOL.13: 2012年5月?2013年9月 大いなる幻影
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 村上龍電子本製作所/G2010
- 発売日: 2014/06/16
- メディア: Kindle版
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VOL.1やVOL.2は、それこそ笑っちゃうようなお気楽エッセイだった。それでも村上龍なりにシリアスなところもあったんだろうが、高度経済成長やバブルの恩恵を受けて、日本にいるよりも海外で取材と称して遊び歩き、日本に戻れば毎晩銀座で寿司を食ってスナックやクラブをはしごして、余った時間で(といっても毎日のように)テニスもして、良いセックスをしないからダメなんだよとのたまえる、そんな生活。それがVOL.3ぐらいから変わってきた。今は、このシリーズは村上龍の思想が詰まった名エッセイシリーズだと思っている。
そもそもKindle版は1冊250円なのだが、「完全版」と称したVOL.1からVOL.13までの合本版もあって1250円で買える。個人的にはかなりおすすめできる。
すべての男は消耗品である。VOL.1?VOL.13: 1984年8月?2013年9月 連載30周年記念・完全版
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 村上龍電子本製作所/G2010
- 発売日: 2014/06/16
- メディア: Kindle版
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なお本シリーズは現在「Kindle Unlimited.」のサービスに含まれているので、サービス利用者なら無料で読むことも可能である。
さて、最新シリーズの最後のエッセイ「賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。」から少し引用したい。
今、わたしたちに必要なのは、幸福の追求ではなく、信頼の構築だと思う。外交でいえば、日本は、緊張が増す隣国と、「幸福な関係」など築く必要はない。しかし、信頼関係にあるのかどうかは、とても重要だ。幸福は、瞬間的に実感できるが、信頼を築くためには面倒で、長期にわたるコミュニケーションがなければならない。国家だけではなく、企業も、個人でも、失われているのは幸福などではなく、信頼である。
なかなか示唆的な提言だと思う。そしてわたしの信条とも概ね合っている。
わたしは、哲学者・中島義道の言葉を思い出した。
私は、目指すべきは成功や幸せではなく、豊かな人生だと思います。たくさんの失敗や苦しみは、濃密な人生の重要な要素になるんですよ。
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