竹内海南江『冬虫夏草』

名前を聞いてもピンと来ない人もいるかもしれないが、彼女は「世界!ふしぎ発見」のメインレポーターである。話によると、何でも彼女は既に(文庫の出版された4年ほど前の時点で)70以上の国を訪れたことがあるらしい。あの仕事って、すんごい大変らしいんだけど、さすが。

けっこう彼女のことは好きです。というか大好きです。でも小説自体はちょっと微妙。巻末の解説では「やさしい言葉を使う」と書いてあるが、むしろ拙い言葉使いと言って良いかもしれない。ただ、現実と架空の境界線が曖昧なところなど、俺好みな話の作り方だったりもする。ファンとしてのひいき目もあるが、確かに優しさの溢れた小説ではないだろうか。個人的には好きだ。