田中孝顕『聴覚刺激 スーパーリスニング 思考は現実化する』

音声を3倍速4倍速で聴くことで脳のウェルニッケ中枢が刺激されたりシナプスが云々(面倒なので省略)で、要は速い音声を聴き続けていくうちに脳の処理速度が上がって3倍速4倍速の音声を聴き取れるようになる――という内容の本。ついでに、速い音声を処理できるのは脳の処理速度が上がるということだから、思考速度も端的に上がるよと言っている。さらには、お決まりの「性格も前向きになる」などといった自己啓発効果も強調している。音声を速く聴くことを「速聴」と言うそうだ。

結論からすると、けっこう長いこと熱心に聴いてみたが、聴き取れるようにはならなかったし、思考速度も上がったようには思えない。しかも前向きどころか馬鹿らしさのあまり憂鬱になった。まあ売れているんだから、効果の上がる人もいるだろうから、効果の否定はしません。しかし俺には効果がなかった。