山本藤光『「暗黙知」の共有化が売る力を伸ばす』

製薬会社ロシュが営業力強化のために実施したSST(Super Skill Transfer)プロジェクトについて述べた本である。SSTプロジェクトとは、トップ営業マンを平均的な営業マンに何ヶ月も同行させ、トップ営業マン個人に内在していた「暗黙知(スキル・ノウハウなど)」を会社全体に波及させようとするものである。

読みやすい文章だが、非常に得るものは多い。組織として、いかに成果をあげるか、もっと必死に考えなければならないと感じる。本書では製薬業界(つまり営業マンとはMRのことである)を題材としていたが、製薬業界以外にとっても重要な視点は多くある。個人の暗黙知を組織全体に浸透させるようなアクションが必要なのだ。