コクヨS&Tセキュリティ推進室+池田宏『セキュリティ時代の文書管理術』

セキュリティ時代の文書管理

セキュリティ時代の文書管理

ヤフーBBの情報漏洩で一気に高まり、昨今のWinny問題で極まった感のある情報リスクへの関心だが、情報漏洩は紙媒体からの漏洩が最も多いという。紙媒体の使いやすさを損なうことなく、しっかりと管理する必要があるという観点から、「セキュリティファイリング」という手法を提唱している。
といっても、それほど画期的な手法を提唱しているわけではない。ひとつひとつは今までも知られた管理方法が大半である。しかし、既に一度ぐちゃぐちゃに乱れ切ってしまっているファイリング状況をしっかりと「棚卸し」することは、非常に大変である。要る書類と要らない書類を分けて要らない書類を捨てること、どんな書類をどんな場所にどのような形でどれだけの期間保存するかを決めること、社内への周知、セキュリティと便利さの共存のための工夫……これは古くて新しいテーマだと(今の社内環境を顧みても)強く感じる。新しい発見は少なかったが、頭の中を整理するのには良い本ではないだろうか。情報セキュリティというとシステム対応だけが先行しがちだが、当たり前のことながら、もっと総合的な組織としての取り組みが必要とされるのである。