山本英夫『のぞき屋[文庫版]』1巻

のぞき屋 (1) (小学館文庫)

のぞき屋 (1) (小学館文庫)

山本英夫は読み切り2本をまとめた『のぞき屋』というコミックスを出した後、同じコンセプトだがキャラクターや設定の異なる『新・のぞき屋』という連載モノを上梓している。俺は当然『のぞき屋』も『新・のぞき屋』も持っていたのだが、引っ越しの際に泣く泣く手放しており、今回、文庫版を改めて買い求めることにした(『機動警察パトレイバー』と同じ展開)。
文庫版(確か文庫版の前に発売されていた完全版も同様だったはず)では、『のぞき屋』も『新・のぞき屋』も、『のぞき屋』というタイトルになっており、そもそもの『のぞき屋』は、『新・のぞき屋』改め『のぞき屋』の外伝的な位置づけとして、文庫版コミックスの最後に収録されている。文字で書くと、何だかややこしいですな。
のぞきに執念を燃やす見(ケン)&目が悪い代わりに人間離れした聴力を持つ聴(チョウ)&見の後輩・スマイルがやっている小さな探偵事務所「のぞき屋」に、あるオヤジが、娘をのぞいてほしい、という依頼を持ち込んでくる――というプロローグ。この頃の山本英夫は、今と違ってギャグも冴え渡っており、シリアスなテーマを選びながらもゲラゲラ笑える箇所が幾つもある。