『アベノ橋魔法☆商店街 Vol.4』

アベノ橋魔法☆商店街 Vol.4 [DVD]

ガイナックス・マッドハウス・鶴田謙二・あかほりさとる・山賀博之といった面々がタッグを組み、徹底的にパロディをやり尽くすアニメーション。大阪のアベノ橋商店街に住む幼なじみの小学生・サッシとあるみは、晴明神社から、パラレルワールドに迷い込んでしまう。それらはどれもヘンテコな「アベノ橋」で、その世界にいる「鬼」を倒せば、何とかその世界からは出られるんだけれども、出た先が、またヘンテコな「アベノ橋」のパラレルワールド――という設定。
第1話のプロローグで設定らしきモノが示された後、とことんパロディをやり尽くし、やっと第7話でストーリーらしいモノが出てきた……と思ったら、第8話「ときめけ！アベノ橋☆学園商店街」では、再度パロディが延々繰り広げられる。しかもギャルゲーのパロディで、めっちゃ面白い！
しかし第9話「泣くよ！うぐいす☆平安京」では、またストーリーが進む。そしてだんだんと物語の確信に近づいていく。本物のアベノ橋に戻らず、ニセモノのアベノ橋にズレ続ける秘密、その裏にあるサッシの想いが暴かれて行くにつれ、パロディを展開すること自体によって物語に奇妙な深みが生まれていく。その構造は「さすが！」としか言いようがない。
第10話「ぽわぽわ?アベノ橋☆メルヘン商店街」では、ぬいぐるみがいっぱいのメルヘンなアベノ橋。第10話でもパロディを繰り広げているが、第9話の前フリが効いて、切なさが込み上げる。