『若草物語 ナンとジョー先生 1』

若草物語 ナンとジョー先生 1 [DVD]

若草物語 ナンとジョー先生 1 [DVD]

ハウス食品がスポンサーのテレビアニメ「世界名作劇場」のDVD版。子どもの頃は、日曜20時から「ごっつ」の放送があるため、その前の「世界名作劇場」もついでに観ていた、という感じだった。しかし、大学生になった頃だろうか、「世界名作劇場」はどうしても残さなければならなかったコンテンツだったのでは――と思うようになった。たまたまTSUTAYAで見つけて借りてきたが、めちゃくちゃ面白い。
内容は、『若草物語』の四姉妹の次女・ジョーと夫のベアが、理想の教育を追求するため全寮制の学園「プラムフィールド」を設立して、おてんば娘・ナンを始めとした純粋だが個性の強い子どもたちと格闘する――というアウトラインで外していないだろう。DVD第1巻は、テレビ放送の第1話から第4話までが収録されている。

第1話:プラムフィールドへようこそ
第2話:川と野原はステキな教室!!
第3話:イチゴつみと黒い森
第4話:約束の小箱

第1巻は、ナンが学園に入学して、大騒動を繰り広げるシーンがメインである。ナンはおてんばな上に負けず嫌いで、騒いだり暴れたりするのが大好きだし、ダメだと言われたことをやることにも躊躇が無い。後で怒られれば良いやとすら思っている。しかし、ナンの裁量が認められれば認められるほど、その自由には責任が伴うし、ルールを破って困るのは怒られるナン本人だけではない――という社会生活上の帰結を、ナンはまだ少女ゆえに理解していない。そのことをジョー先生とベア先生は愛情たっぷりに少しずつ理解させるのである。ナンに限らず、子どもたちはみんな純粋で、明るく、ジョー先生とベア先生を心から信頼している。ありえないほどに。
だからこそ胸を打つ!
ジョー先生とベア先生は、確かに献身的で、子どもたちを自分たちの子ども以上に愛している。愛しているからこその厳しさもある。厳しさの最中に愛が透けて見える。地味な作品かもしれないが、こういった物語こそ日曜夜に放送し続けなければならないのではないだろうか。ぜひとも「世界名作劇場」を日曜19時半に復活してほしい。