J.フラーティ『コーチング選書01 コーチング5つの原則』

コーチング5つの原則 コーチング選書 01

コーチング5つの原則 コーチング選書 01

日本では(コーチング選書を監修している)コーチ・トゥエンティワンとその関連会社であるコーチ・エィのコーチング本が多い。何冊も読んできたが、やはり同一会社の人々のメソッドであるため、著者が異なっても似たような内容が多い。コーチング自体は体系化されて20年程度の新しい手法であり、色々なやり方があるはずで、それらを積極的に紹介してくれるのはやはり嬉しい。
本書は(ハイデッガーハーバーマスといった哲学者・社会学者などのフレームワークを取り入れて)独自のコーチングプログラムを提供している著者によるコーチングの入門書。特徴的なのは、コーチングを始めるタイミングやコーチングの始め方に最も力点を置いている点。俺の今まで読んできた類書とは切り口が異なっており、興味深い。確かにコーチぬを始めるきっかけやタイミングというのは非常に重要で、精神状態や能力が適切でないのにコーチングセッションを提供したところで、効果は乏しい。
ところで書名の「5つの原則」という言葉は本書の最初しか出てこず、原題にも「5つの原則」とは書かれていない。単純に訳語の問題だと思うが、書名と内容はマッチさせてほしい。それくらいプロの編集者・翻訳者ならすぐわかるだろうに。