『フォーサイト』2009年2月号


国際情勢を中心とした骨太雑誌。
今月号の特集は「水という稀少資源」だが、これはとても面白い。オーストラリアの水不足が日本にこんな影響を与えるなんて! と素直に勉強になった。あと、銀行業界に関する記事が4つほどあったが、これがどれも面白い。

  • またぞろ「銀行保有株」買い取りの愚
  • 振込め詐欺対策の切り札を売る会社の困惑
  • 銀行ATM手数料のカラクリを知るべし
  • みずほグループ「理想の2バンク制」の破綻

特に面白かったのは「銀行ATM手数料のカラクリを知るべし」だが、これはもう文字通りの内容である。銀行界はATM手数料について、ATM・CD設置コストの減価償却、保守管理などのコストを算出すると一件あたり100円の手数料が妥当だ――と回答しているのだが、例えば「引き出しや振込みといった取引の種類ごとに、あるいは時間帯ごとに違う手数料の根付け」の根拠を考えてみたことはあるだろうか? 俺としては、この記事を書いた経済ジャーナリストの鷲尾香一と同じく「首肯できる根拠はない」に一票を投じたい。短い記事ながらも、事例も交えながら掘り下げられているので、興味のある方には一読を勧める。www.fsight.jp