富田一彦『富田の英文読解100の原則 上』

富田の英文読解100の原則 上 (新装版)

富田の英文読解100の原則 上 (新装版)

今、薬袋善郎の『英語リーディング教本』を読んでいるのだが、こういう品詞分解系というか、たとえ返り読みと呼ばれようとも合理的に英文を解釈するという試みは悪くないし、わたしも身につけたいと思い、類書を探して購入した次第。

ただ、100個あるとかいう「原則」の品質のバラツキがどうも気になる。

例えば、以下は有益な原則だと思う。

読解の原則52
全ての名詞は次のいずれかの働きをしていなくてはならない。
 ①動詞の主語(S)
 ②動詞の目的語(O)
 ③動詞の補語(C)
 ④前置詞の目的語

次に、以下は、ただの文法事項のような気もするが、まあわかる。

読解の原則48
継続用法(前にcommaを打つ用法)の関係代名詞は、省略することができない。

最後に、以下。これは原則なのだろうか。ただの心構えのような気もする。

読解の原則11
文意を決めるには、まず文法的判断を全てに優先する。
文脈的判断は最後の手段と心得よ。

つまり、英文を解釈する(構文を読み解く)ための有益な原則と、文法事項の復習と、単なる心得が混ざっているのだ。個人的には「100」という数字がかさ上げに見えて、集中できない。数が多いと覚えられないというのもある。

下巻も買ってしまったのだが、下巻はもう良いかな。