やましたひでこ監修『見てわかる、断捨離 決定版』

見てわかる、断捨離 決定版

見てわかる、断捨離 決定版

断捨離の本が初めて出版されたのは2009年、その後、断捨離関連の書籍は国内だけで300万部を突破し、アジア・ヨーロッパでも翻訳されて世界的な広がりを見せている。そうした中で、断捨離という言葉はブームを超えて定着し、もはや一般用語のように使われるようになった。実際、皆がごく普通に断捨離という言葉を使って会話をしているのである。しかしそのことで、断捨離という言葉が本来的にどのような意味だったか、それがやや曖昧になっている。断捨離とは、広い意味では「捨てること」だが、本来的な意味は「ただ思い切って手放してスッキリすること」ではない。では、どういう捨て方・片づけ方が断捨離の考え方に則っていて、より効果を出せるのか、改めてフォーカスしたい……やや長くなったが、これが本書の意義でありアウトラインである。

わたしが本書を読んで改めて感じたのは2点。

ひとつは、よくここまで断捨離という言葉が一般に定着・浸透したなという点。先ほども書いたが、断捨離の本が初めて出版されたのは2009年なのである。

もうひとつは、これはこんまりの考え方もそうだが、断捨離という考え方はモノを捨てるという行為に「感謝をする」といった概念が含まれており、これが良い意味で非常に日本的だなと思う点。今、こんまりメソッドがアメリカで驚きを持って受け入れられているが、やり方次第では断捨離も、単なる書籍翻訳にとどまらずブームとして欧米に上陸できるんじゃないかと思う。