
人事コンサルタントが教える 生産性アップにつながる「50」の具体策
- 作者: 岩下広文
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 2018/11/23
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
さて、元々は第5章が気になって購入したのだが、前半部分もよくまとめられていて参考になった。ただし、やや気になったのが、第3章で書かれていた「なぜ日本企業は生産性が低いのか? <4つの理由>」である。本書では4つの理由を以下のように整理している。
- 無駄なアウトプットが多い
- 低付加価値なアウトプットが多い
- 社員数が多い
- 労働時間数が長い
誤解してほしくないのだが、わたしは理由1~4それぞれは当然「ごもっとも」だと思うし、賛同する。わたしは「強すぎる解雇規制」が結局会社も従業員も不幸にしていると思っているが、著者もその点についてしっかりと触れている。だが、個人的には「そもそもアウトプットにかける時間・割合が少ない」というのが最も本質的な理由なのではないかと思う。無駄な会議、無駄な客先訪問、経費等の手続き、稟議書の持ち回り……これらはアウトプットには一切影響がない。「曖昧な役割定義」など、これによく似た指摘はあったのだが、従業員はそもそも、アウトプットを出すための検討や作業に、労働時間の何割を使えているだろうか。
具体的な50の施策については、大きく4つの領域で整理されている。
- 人事制度関連の具体策(1-15)
- 労働時間制度関連の具体策(16-30)
- 物理的施策関連の具体策(31-40)
- 研修・トレーニング関連の具体策(41-50)
正直に言って、人事制度や研修・トレーニングを少々手がけたところで生産性は向上しないだろう。労働時間制度関連と物理的施策関連は参考になる。