科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方
- 作者:鈴木 祐
- 発売日: 2019/12/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
構造化されており非常に読みやすいが、結果だけ知りたい方は各章の「まとめ」を読むことも可能である。これだけ眺めても詳細は理解できないが、本書を買うかどうかの参考にはなるだろう。
個人的なポイントは、本書の記載は原則全て研究で明らかになったものであり、いわゆる著者の個人的な体験ベースの持論ではない、ということだ。正直、体験ベースのこの手のアドバイスには飽き飽きしており、エビデンスベースを徹底する著者のスタンスは非常にありがたい。
ステップ1「幻想から覚める」のまとめ
- 職業選択にありがちな7つの大罪
- 好きを仕事にする
- 給料の多さで選ぶ
- 業界や職種で選ぶ
- 仕事の楽さで選ぶ
- 性格テストで選ぶ
- 直感で選ぶ
- 適正に合った仕事を求める
ステップ2「未来を広げる」のまとめ
- 仕事の幸福度を決める7つの徳目
- 自由 その仕事に裁量権はあるか?
- 達成 前に進んでいる感覚を得られるか?
- 焦点 モチベーションタイプに合っているか?
- 明確 なすべきことやビジョンはハッキリしているか?
- 多様 作業の内容にバリエーションはあるか?
- 仲間 組織内に助けてくれる友人がいるか?
- 貢献 どれだけ世の中の役に立つか?
- 未来の可能性を広げるツール
- イニシャルリストを作る
- 「徳目アテンション」で可能性を探す
- 「徳目クエスチョン」でさらに未来の幅を広げる
- 8つの質問でブロックを外す
ステップ3「悪を取り除く」のまとめ
- 最悪の職場に共通する8つの悪
- ワークライフバランスの崩壊
- 雇用が不安定
- 長時間労働
- シフトワーク
- 仕事のコントロール権がない
- ソーシャルサポートがない
- 組織内に不公平が多い
- 長時間通勤
- 3つの意思決定ツール
- レベル1:プロコン分析
- レベル2:マトリックス分析
- レベル3:ヒエラルキー分析
ステップ4「歪みに気づく」のまとめ
- バイアスを取り除くための4大技法
- 10/10/10テスト 「この選択をしたら10分後・10ヶ月後・10年後にはどう感じるか?」を考える
- プレモータム 「①敗北の想定 ②原因の探索 ③過程の想起 ④対策の考案」を行う
- イリイスト転職ノート 1日15分〜自分がその日行った「職選びに関する意思決定」の内容を三人称で書く
- 友人に頼る 「360度フィードバック、クローズドクエスチョン、親友イメージング」を活用
ステップ5「やりがいを再構築する」のまとめ
- 仕事の満足度を判断する2つの尺度
- ヒエラルキー分析を再調整する
- 「仕事満足度尺度」を使う
- 仕事の満足度を高める行動計画(ジョブ・クラフティング)
- ビフォー・スケッチ
- ビフォー・スケッチの省察
- 動機と嗜好のピックアップ
- 課題クラフティング
- 関係性クラフティング
- 認知クラフティング
- アクション・プラン →実践後、「ジョブ・クラフティング尺度」で効果をチェック
特にステップ5はエクセルなどを用いて実際に手を動かしてみる価値のあるものだと思った。