藤吉豊『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』

話し方やプレゼンに関する本は非常に多くあるが、「より多くの本で頻繁に取り上げられているポイントは普遍性を持った重要なポイントであろう」という前提のもと、話し方やプレゼンに関する100冊の本を横串検索というか横串評価して、要素を抽出したのが本書である。

狙いはものすごく面白いし、価値あるものだと思うんだが、いざポイントを見てみると、個人的には何だか印象が変わった。

  • 1位 会話は「相手」を中心に
    1. 「話す」よりも「聞く」が大事
    2. 相手の意見を否定しない
    3. 相手が求めている話をする
  • 2位「伝える順番」が「伝わり方」を決める
    1. 「結論」を最初に伝える
    2. 「結論→説明」の「逆三角形型」が基本
    3. 説得力を高めたいときは「結論→理由→具体例→結論」の「PREP法」
  • 3位 話し方にメリハリをつける
    1. 声の大きさ、高さに変化をつける
    2. 人前では、ゆっくり話す
    3. 「間」を意識する
    4. 語尾をはっきり発音する
  • 4位 「いい質問」で話を引き出す
    1. 「クローズドクエスチョン」で事実を確認
    2. 「オープンクエスチョン」で話を広げる
    3. 質問は「具体的」に

この手の本を何冊か読んだことのある人や、話し方を意識したことのある人にとっては、何か「浅く」感じるかもしれない。

少なくともわたしはそうだった。

まず、「この辺は全部わかっているけど実行するのは難しくて、それが悩みなんだよ!」みたいな思いが出てきた。

もうひとつ、著者が本を書いたときの熱量みたいなものが、うまくまとめられすぎていて消えているのかもしれないと思った。

決して悪い本ではないし、この手の本を初めて読む人なんかは、網羅的で凄く良いと思う。