サーベイ・フィードバック入門――「データと対話」で職場を変える技術 【これからの組織開発の教科書】
- 作者:中原 淳
- 発売日: 2020/02/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
また著者は誤ったサーベイ・フィードバックが引き起こす病として以下の8つを挙げているが、これもサーベイを取り巻く実態と合っていてなかなか良い。
- サーベイすれば現実は変わる病(データ万能主義に陥り思考停止する人たち)
- 項目が多すぎてわからない病(やたらめったらデータがあっても使えない)
- データが繋がっていない病(組織のデータは「一元管理」しないと活かせない)
- サーベイに正解を求めてしまう病(サーベイから「絶対の正解」が得られることはない)
- サーベイ結果を放置してしまう病(やりっぱなしのサーベイはかえって逆効果!)
- データをむやみにとりすぎ病(高頻度サーベイの知られざる弊害とは?)
- サーベイは1回やればOK病(「リバウンド」は組織でも起こりがち)
- 数字ばかり気にしすぎ病(数字は「組織のすべて」を反映してはいない)
特に1は、わたしを初めとしたコンサルの多くが罹患しているだろう。正確には「サーベイすれば現実は変わる病」ではなく、その前段階である「サーベイすれば現実がわかる病」だ。わたしは「ありもの」のサーベイではなく、仮説や目的に基づくオーダーメイド型のサーベイを推進することもあって、その結果「現実がわかるように設問設計するのだから当然わかるだろう」と思っている。しかしそれは傲慢であるとも言える。不慣れな人間が限られた期間でサーベイを作り込んでも、あまり大した結果は出ない。