乙野二郎『ミステリ展開・構成分類集 増補改訂4版』

(わたしの知る限り)他に類例のない本で、すごく面白い。

例えば、ミステリの「探偵役」には色々な立場の人がいるが、それを分類している。文字通り「探偵」として依頼に基づき事件を捜査・解決するケースだけが探偵役というわけではない。コナンや金田一のように信じられない引きで事件に遭遇しちゃうケースもある。警察組織として解決する場合もあれば、自分が犯人なのだが叙述トリック的に種明かしするケースも。とりあえず記憶ベースでふんわり書き出していたが、実際には探偵役だけでかなり細かく分類されていた。

その他、「犯人」の分類、「ワトソン役」の分類、「被害者」の分類、「動機」の分類、「推理方法」の分類、「解決方法」の分類などなど、ミステリをここまで構造化してくれるのかと非常に楽しく読んだ。

難しい内容や語り口では全然ないのだが、情報が多すぎて消化不良気味なので、もう1回読み返そうと思う。というか読ませてください。