竹内友『ボールルームへようこそ』10巻

競技ダンスと呼ばれるジャンルスポーツの漫画。

競技ダンス・ソシアルダンスは、いわゆる社交ダンスと呼ばれるものと言って良いだろう。ただ、ここで「いわゆる」と書いているのは、社交ダンスと聞いて多くの人が思い浮かべる、くたびれたおじさんが束の間の心の安寧を求めて若いお姉さんとゆったりダンス的な『Shall we ダンス?』の文脈や、上流階級の男女が嗜みとして身に付け、パーティーの場でゆらゆらと踊る文字通り上流階級の社交としての文脈ではない、ということである。あくまでもスポーツとしての強度や正確性が求められるものだ。

さて、本作は非常に面白いのだが、理由は知らないものの作品刊行ペースには物凄く問題がある。わたしが本作を手に取ったのは確か7巻あたりの刊行時だったように思うが、9巻の刊行が物凄く遅れてしまった。感覚的には3年ぐらいかかったんじゃないかな。感覚だけど。で、これはもう終わったかなと諦めていたのだが、9巻が発売されて、悪くはないけど雰囲気が微妙に変わったのをよく覚えている。で、そこから数年。もう昔すぎて覚えていないがこの辺でアニメ化もされたかな、でももう諦めも通り越して半分忘れていたのだが、やっと10巻が発売。こう遅いと、正直こちらのテンションを上げていくのが難しい。面白い作品だと、最新刊を読み終えた瞬間に「そら無理だけど早く続きが読みたい」とどうしても思ってしまうものだが、本作については「続き、発売されるのかな」としか思えなくなってきた。

いや、面白いんだけどね。