
- 作者:将也, 尾崎
- 発売日: 2016/11/29
- メディア: 単行本
例えば、よく言われる起承転結や三幕構成は、あくまでも「結果」もしくは「検証のための視点」であり、脚本を書く際に「起承転結で書こう!」とか「起が何枚、承が何枚……」と書くわけではない、と語る。それはその通りだとわたしも思う。わたしは経営コンサルタントだが、「さあ7Sで分析しよう!」とか「今日もSWOT分析するぞー!」みたいなことは普通しない。その上で、起承転結や三幕構成といった感覚が身についていない人は、差し当たり「人物紹介」「状況設定(ストーリーの始まり)」「展開」「盛り上がり」「クライマックス」「結末」の六大要素に分けてそれを順番に書くと良い、ただし何枚目までどうといったことは一旦考えなくて良い、と説明している。
あと「初心者のプロットにありがちな間違い」というのも面白かった。そのまま引用するのではなく、エッセンスをわたしなりの理解で箇条書きにしておきたい。
- 書くべきことから無意識に逃げてしまい、「そして二人は愛を育んでいく」などと、「そこが膨らませるべきところだろう」という箇所を一行で済ませてしまう。
- この作品で書くべきものはこれ、という見極めがついておらず、過去の出来事から延々と書いてしまいがち。
- そもそもストーリーをきちんと考えると、一行ずつの「次にどうなる」の連続で成り立つはずだが、生徒の多くは「次にどうなる」を端的に話すことができない。
なるほど。けっこう深いなあ。