松本大洋『東京ヒゴロ』1巻

松本大洋の新作。

相変わらずの圧倒的な描写なのだが、初期から中期のヒリヒリした感じが最近なくなってきた気はする。

天才とか、孤高とか、そういう人の孤独を好んでモチーフに選んできた方だと思うのだが、本作はどうも「落ちぶれたおじさんの再挑戦」みたいな紋切り型のモチーフに見えなくもない。社会的には成功しないかもしれないけど応援する人はしますよみたいな。

わたし個人としては、そういう「人情モノ」みたいなところには落ちてほしくないなぁと思う。