六内円栄『Thisコミュニケーション』1〜4巻

巨大な芋虫みたいな怪物(イペリット)にやられて、人類は限られたスペースに閉じこもって何とか生き長らえている近未来。ある研究施設では、殺されても生き返る、文字通り不死の女戦士を生み出すことに成功していた。しかし6人の女戦士は文字通り10代の少女で、精神的にも技術的にもまだまだ未熟。元軍人のデルウハは、6人の女戦士を指揮しながらイペリットと戦う――というアウトライン。

本作の面白いギミックは、この6人の女戦士は文字通り不死で、銃で撃たれても剣で切られても生き返るわけだが、生き返るときは死の1時間前の記憶を持って生き返る点である。元軍人のデルウハはこれを逆手に取って、6人の女戦士が余計な記憶を持たないよう、仮に余計なことを知ってしまった場合は躊躇なく殺すことで、自分に従わせるようなマネジメントをするのである。