インキュベ日記

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『坂道のアポロン』@Prime Video

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全12話。

1960年代の長崎県・佐世保を舞台に、ジャズにのめり込む高校生の青春と恋愛を描いた作品。

佐世保は港町であり、米軍基地の町でもあるため、そうしたジャズ文化が育まれる素養があったのだと思う。佐世保弁も含めて、非常に雰囲気がある。

また渡辺信一郎や菅野よう子が携わっており、作中のジャズだけでなく、OP曲やED曲など、音楽的なセンスも最高。

フジテレビのノイタミナ枠で放送されているが、ノイタミナは全般的に絵柄がちゃんとしている気がする。

もちろんストーリーも面白く、基本的には良いこと尽くし。

ただ、その前提で敢えて言わせてもらうと、主人公(ボン)は家庭環境がやや複雑で、父は船乗り、母は離婚?して音信不通で、伯父宅で居候して肩身の狭い思いをしている。そのせいか非常に屈折した性格になっている。とにかくあまりにも子供じみた甘えた性格で、全く感情移入できない。大体2話に1回はどうでも良いことでいきなり逆ギレしたり、自己中心的な行動で他人を傷つけたりしている。もっと言うと、さっき「甘えた」と書いたのは言い得て妙で、逆ギレしたり他人を傷つけたりするのは大抵、親友やヒロインなど、自分を許してくれるとわかっている人間に対してだけなのだ。叔母や、学校の先生や、レコード店の店主に逆ギレすることはない。で、一丁前に反省したポーズは見せるわけだが、何しろ同じようなことを繰り返しているわけで、この手の人間こそ近年ネットスラングで「メンヘラ」と呼ばれるのである。主人公が聖人君子である必要は全然ないが、こういう話は、主人公にもう少し感情移入の余地を残してほしいなとは思った。