小笹芳央+小畑重和『「アイ・カンパニー」の時代』

自分を「株式会社」に見立てる(アイ・カンパニー)ことで、セルフマネジメントや個人の市場価値を向上させるための手法を考えようとする本。アイ・カンパニーという概念は、ありがちだとは感じたが、必ずしもありがちだったら悪いというわけではない。その分すんなりと頭に入ってくるし、有益な考え方だと思う。

ビジネス書や自己啓発書の場合は「どれだけ本の内容を日々の行動に反映できるか」が評価の重要な指標になると思うが、その意味では、(企業のリスク分析のように)個人レベルでの「最悪のシナリオ」を描くことの重要性や、弱味を克服した事例を模倣することで弱味を強みに変えて行くことの重要性、市場価値を上げるために対立する能力を鍛えることの重要性など、それぞれのアドバイスは具体的で、けっこうわかりやすいと俺は思った。