梅森浩一『「クビ!」論。』

「本書が単なるクビ切り自慢、武勇伝として読まれるなら、それは私の本意ではない」と「あとがき」に書いているが、俺にはそうとしか読めなかった。ともあれ不愉快だったことは確かだ。やれ外資系だ日本企業だと乱暴に対置して、外資系のクビは正当なものだが日本企業のリストラは駄目だ、だから外資系バンザイ、アメリカバンザイ――と言うのは、図式として乱暴だし、あまりに自己弁護的ではないだろうか。