安達洋『日産を甦らせた英語』

日産を甦らせた英語 (ペーパーバックス)

日産を甦らせた英語 (ペーパーバックス)

日産の英語研修を行っている著者が、英語研修の「学習者」「研修担当者」「英語講師」の3者の視点から、英語学習について述べている本。英語学習をめぐる俗説を取り上げ、それに対する著者なりの考え方を示してある箇所は、なかなか面白かった。
ところで、この光文社ペーパーバックスは、なかなか変わった趣向のシリーズである。本書の最初に載っていた「About Kobunsha Paperbacks」によると、以下の特徴を持っている。

  1. ジャケットと帯がありません。
  2. 本文の紙はできる限り再生紙を使っています。
  3. 本文はすべてヨコ組です。
  4. 英語(あるいは他の外国語)混じりの「4重表記」

1と2は賛成(俺は帯も表紙も不要だし、上質の紙を使うよりは値段を安くしてほしい)である。また、横書きの文章は確かに増えているから、あえて横書きを選択するのも、別におかしくないと思う。ただ、4の「4重表記」とやらは、読んでいてかなり違和感がある。本書の「はじめに」の最初のパラグラフを引用してみたい。

1991年度以降の8年間に7度の経常赤字を出し、不振 slump を極めていた日産自動車は、フランスのルノー Renault と提携 alliance した。そして、1999年に赴任したカルロス・ゴーン Carlos Ghosn 社長の下、「日産リバイバルプラン」 the Nissan Revival Plan (NRP) を掲げ、改革 reform を断行した。以降、4年で2兆1000億円の有利子負債を完済、純利益は過去最高を更新し続け、2004年3月期決算においては、「連結営業利益は過去最高、11.9%増の8249億円となった」と発表するまでになり、世間を驚かせた。

……違和感あるよなあ? 帰国子女の女子高生の手紙のようだ。