野村総合研究所コンサルティング・セクター『戦略実践ノート』

戦略実践ノート

戦略実践ノート

第1章「顧客ロックイン戦略」が面白かった。顧客をよく知り、顧客に最適な提案を行うことで、顧客とWin-Winな関係を創り出し、顧客を囲い込む――というのが顧客ロックイン戦略の概略だろうか。本書では、ロックイン戦略を7つに大別している。内容を俺の言葉でまとめてみたい。なお、簡単にメモを取った上でまとめたが、本自体は既に図書館に返してしまったので、もしかしたら細かい部分は間違っているかもしれない。

インティマシー・ロックイン
親しみや馴染みが増すことで離れられなくなる状態を作り出し、顧客を囲い込む戦略
メンバーシップ・ロックイン
会員制やポイント制などの仕組みを活用し、「損をしたくない」「得をしたい」という心理を作り出すことで囲い込む戦略
コンビニエンス・ロックイン
商品やサービスの利用のしやすさを訴求点に顧客を囲い込む戦略
ブランド・ロックイン
商品やサービス、企業の「知名度」「イメージ」を高めることで、顧客を囲い込む戦略
ラーニング・ロックイン
どこに何があるかよく知っている店で買いたい、自分のことをよく知ってくれている店で買いたいなど、「学習」により顧客を囲い込む戦略
コミュニティ・ロックイ
コミュニティへの参加者を増加させることで、囲い込みをより強固にする戦略
シリーズ・ロックイン
1つのラインアップで展開されている商品を揃えたい、買い続けたいという心理を活用した囲い込み戦略

チャンピオンになるよりもチャンピオンであり続けることの方が難しい、といった意味の言葉がスポーツにはあるらしい。漫画が情報源なので、あまり大きな声では言えないが、どんな商品やサービスでも多かれ少なかれそういった面はあるように思う。最初は価格や独創性でマーケットに受け入れられることができても、事業の規模が大きくなり、会社の人数も増え、社会情勢も変わり、やがて今まで通りのクオリティではサービスや商品を提供できなくなり、縮小均衡の隘路に陥る――というストーリーは、どの企業にとっても(あるいは個人にとっても)他人事ではない。