『NEON GENESIS EVANGELION vol.03』

NEON GENESIS EVANGELION vol.03 [DVD]

NEON GENESIS EVANGELION vol.03 [DVD]

地球規模の大災害「セカンドインパクト」を経た2015年の地球を舞台に、碇シンジ綾波レイ・アスカといった14歳の少年少女たちが、エヴァと呼ばれる人型兵器に搭乗して「使徒」と呼ばれる正体不明の敵と戦うアニメ作品『新世紀エヴァンゲリオン(通称エヴァ)』のDVD版。母親に死なれた上に父親に捨てられ、他人との接触を避け非主体的に生きる主人公・碇シンジは、ある日、特務機関ネルフの司令を務める父親・碇ゲンドウに呼び出され、エヴァに乗って「使徒」と戦うように言われる。シンジは拒絶するが、エヴァに乗れる適性は14歳の少年少女の、それも一部の人間だけであり、父親への複雑な感情・関係を抱えたまま結局エヴァに乗ることになる。決して望んだ戦いではないわけだが、シンジは必ずしも流されるばかりでもなく、自問自答や葛藤を抱えながら少しずつ自分の殻を破ろうと苦闘する。仲間や友達・居場所もできた。しかし一方で、凄惨な光景の続く毎日に14歳の少年少女たちの魂は確実に傷つけられていく――というアウトラインだろうか。
DVD第3巻には以下のエピソードを収録している。

第九話 瞬間、心、重ねて Both of You, Dance Like You Want to Win!
第拾話 マグマダイバー MAGMADIVER
第拾壱話 静止した闇の中で The Day Tokyo-3 Stood Still
第拾弐話 奇跡の価値は She said, "Don't make others suffer for your personal hatred."

第八話からしばらくアスカにスポットを当てた話が続くが、個人的にすきなのは第拾壱話「静止した闇の中で」であろうか。停電によって完全に都市機能を停止した第3新東京市に使徒が来襲する話だが、シンジ・レイ・アスカが独力でネルフに到着することを信じて、碇ゲンドウが必死になって手動でエヴァを起動させようとしているのである。「父親の背中を見る息子」というベタな構図かもしれないが、父親の一端をシンジが知る瞬間である。