『巌窟王』7巻

巌窟王 第7巻 [DVD]

巌窟王 第7巻 [DVD]

アレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』を原作とする深夜アニメ。元々は『モンテ・クリスト伯』をモチーフとするSF小説『虎よ、虎よ』をアニメ化しようとしていたそうだが、著作権の関係で実現せず、『モンテ・クリスト伯』をアニメ化したらしい。そのためか、細部まで原作に忠実にアニメ化しているわけではない。19世紀のパリではなく幻想的な未来のパリが舞台である点、復讐する側ではなく復讐される側の子どもたちの視点から話を構成している点など、原作を活かしつつも(かなり)大胆な構成の組み換えが行われている。俺は(あまりの長さに)原作は途中で挫折したが、原作とはまた異なった彩りが本作にはあると思われる。
DVD第7巻には以下のエピソードを収録している。

第十三幕「エデ」
第十四幕「さまよう心」

ユージェニーとアンドレアの突然の婚約発表、両親への不信、親友フランツの裏切り……と、アルベールの心はボロボロに傷つく。といってもフランツは、伯爵に心酔するあまり危険なトラブルに巻き込まれようとしているのを助けるための独自行動なのだけれど、アルベールは、まさに伯爵に心酔しているが故に、フランツの真意に気づけず、さらに伯爵の策略に絡め取られる。このあたり、ぞくぞくするほど巧いねえ。原作が巧みなのかアニメ化が巧みなのかわからないけれど、たぶん両方なんだろうな。
「エドモン・ダンテス」からの手紙を受け取ったモルセール将軍・ダングラール男爵・ヴィルフォール首席判事。モルセールの妻のメルセデスと息子のアルベール。ダングラールの妻のビクトリアと娘のユージェニー。ヴィルフォールの後妻のエロイーズと娘のヴァランティーヌ。エドモン・ダンテスのキーワードで繋がるほぼ全ての人間に伯爵の魔の手が及んだ、あるいは及びつつある。そして伯爵は元気のないアルベールを深宇宙への旅に連れ出す。
次回のタイトルが「幸せの終わり、真実の始まり」だから、そろそろ復讐が本格的に始まるんだろうな。焦らして焦らして、大人だけでなく、子どもたちも復讐の餌食になるだろう(ヴァランティーヌは実際もう餌食になった)。かなりぞくぞくする。
それにしても、エデはミステリアスで最高に萌えるね。