
- 作者: ティム・オブライエン,Tim O'Brien,村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/02
- メディア: 文庫
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この短編集では、作中の主人公の名前が「ティム・オブライエン」であり、何人かいる仲間の名前は同じで、他の短編にも共通して出てくる。村上春樹の言うとおり、危険な種類のコミットメントだと俺も思う。が、オブライエンはこうしなければ書けないことがあったのだろうな。
戦争といっても、少なくとも本書では、残虐なシーンはほとんど出てこない。ドンパチもあまりない。けれど、延々と続くこの戦場の描写や内面描写は、とにかく出口のなさにかけては天下一品である。どこまで読んでもどこにも行けない苦しさ。これがオブライエンの言う戦争なのだろうか。