社労士業務戦略集団SK9『新しい労働時間管理 導入と運用の実務』

良くも悪くも教科書的。なんか15年前ぐらいに挑戦しようとして速攻挫折した、社労士の教科書に雰囲気が似ている。

何を言いたいかというと、「新しい労働時間管理」という書名なのだが、実際のところは法定労働時間と所定労働時間の違いは何かとか、年次有給休暇の仕組みとか、変形労働時間制の種類だとか、そういう話が最初にガッツリ乗っていて、新しい労働時間管理と呼べそうなものは7章の「ワーク・ライフ・バランス実現のための新しい勤務形態」ぐらいしか記載がないように見える、ということだ。

個人的には、前半部分の教科書的な記載は、それなりにわかりやすいかなとは思ったが、7章は分量的に物足りなかった。

この本は、普通のビジネスパーソンが読み進められる構成では多分ないし、とはいえ人事部や総務部の人が7章のためだけに買うのもピンと来ないだろう。だから本書がピンと来るのは、人事部や総務部で経験の浅い人や、社労士の勉強を始めたけど労働時間管理について(社労士の教科書よりも読みやすいものでまず)インプットしたいという人、なのかな。