坪谷邦生『人材マネジメントの壺 テーマ4. 報酬:報酬とは働くことで得られるものすべて』

元リクルートマネジメントソリューションズの方。個人出版のような形でテーマ別の入門書を7冊も出しており、気になったので順次読んでいる。

第4巻のテーマは報酬である。個人的には「まあまあ」って感じかな。いわゆるトータルリワードについて言及している。

トータルリワードは文字通り、給与や賞与を除く、仕事から得られるあらゆる報酬を指す。それは諸手当や福利厚生を含むケースもあるし、人間関係的なメリットもトータルリワードに含むケースもある。著者のトータルリワードの概念は、諸手当や福利厚生といった狭義のトータルリワードではなく、広義のそれだ。本書では、仕事のやりがい、すなわち仕事そのものもトータルリワードの一環として捉えている。

デシという研究者はかつて、内発的動機づけ、つまり仕事そのものを面白いと思えるかどうかが仕事における動機づけの大きな要素だと述べていたが、その意味ではわたしもデシや著者と同じ考えで、仕事そのものが面白くないと、あるいは仕事そのものを面白いと思える人でないと、本質的に高いモチベーションを維持するのは厳しいと強く思っている。