花野康成『道具としてのアカウンティング』

道具としてのアカウンティング

道具としてのアカウンティング

  • 作者:花野 康成
  • 発売日: 2006/11/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
会計の入門書。昔々に買って、パラパラ読んでいたのだが改めて通読。

第1部「会計を使いこなすための基礎知識」では、基本(B/S、P/L、キャッシュフロー計算書など)を整理。

第2部「財務分析のための会計」では、実数法・比率法・指数法などの分類を整理すると共に、収益性分析・安全性分析・キャッシュ・フロー分析などなどを紹介。指数法によるレーダーチャーの事例が載っていたが、具体例を見るとけっこうイメージが湧いた。

番号 比率 ウエイト 標準比率 実際比率 評価点数
総資産利益率 15.0 0.8 1.2 22.5
売上高利益率 3.0 0.7 0.6 2.6
総資産回転率 2.0 1.2 1.1 1.8
流動比率

第3部「経営のための会計」では、原価計算や予算・業績評価について整理。部門別損益計算の方法や、社内売上と振替価格の方法について触れていたのは面白かった。いわゆるトランスファープライシング(TP)の話なのだが、初学者にもわかりやすいと思う。

最後に第4部「企業価値評価のための会計」という章が載っていたのも面白かった。会計の入門書でリスク計測やバリュエーションのキホンが載っていること自体やや違和感があるけれど、インカム・アプローチ(継続的な事業収入を前提としたフローの企業価値を測定:DCF法や年買法など)、マーケット・アプローチ(株式市場での同業他社の取引価格を基礎にして企業価値を測定:類似会社比準法・類似取引法)、コスト・アプローチ(企業を即時清算したと仮定した清算価値つまりストックの企業価値を測定:時価純資産法)の整理およびアプローチごとの評価方法は、会計知識の応用と捉えれば初学者にも有益だと思う。