星野博美『転がる香港に苔は生えない』

1997年の香港返還前後に、リアルな空気を感じるべく香港に滞在した写真家のエッセイ集。全く知らなかったのだが、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しているなど、この界隈の名作らしい。

イギリスでも中国でもない「香港」ならではの感じが物凄くリアルに迫ってきて、ほんと読んで良かったというか、発売直後に読みたかった。

特に香港の「人脈ありき」な感じが物凄く興味深かった。西洋的な合理性とは真逆なんだけど、これはこれでエコシステムとして成立・完結していて、これに慣れちゃうとこれが便利だと思うんだろうな。